
僕は君を連れてゆく
第37章 背中合わせ
「俺…俺ね、別に、本当は…子供が欲しいわけじゃないんだ。」
「……。」
大きく息を吸って。
「潤とね、エッチしたいの。」
顔が熱い。
「だんだん、潤の仕事が忙しくなってきて、俺はほら、定時で上がれるでしょ?毎日、潤の帰りを待ってて…まだかな?、早く帰ってきて欲しいなって。最初は本当にそう思ってた。けど、それが、なんで今日も遅いの?明日は早く帰れるの?って…
俺、淋しかったんだ…そういうこともしなくなって…昔は今日も?みたいな感じだったのに…いざ、なくなるとさ…」
「和也…。」
潤の手が俺の手に重なった。
「だって、潤が好きだから。好きなんだもん…
キスしたいよ…触って欲しいよ…
でも、こんなことばっかり考えてるなんておかしいって、厭らしいって…」
「和也、俺が好き?」
俺は頷いた。
「ちゃんと、言って。」
「好きだ。俺は潤が好きだ。」
潤の指が俺の顎にかかる。
ゆっくり顔を傾けながら俺に近づいてくる。
「俺も。俺も和也が好きだ。」
目を閉じたら、潤の唇が触れた。
それは震えてて。
すぐに離れた。
目を開けたら目を押さえて泣く潤がいた。
その潤を俺が抱き締めた。
「ありがとう。潤。俺をみつけてくれて。」
俺の腕の中から抜けて出た潤が今度は俺の頬を両手で挟んだ。
唇が重なったら、潤の左手は俺の後頭部に回って。右手は腰に添えられた。
何度も触れる唇に、息を吸うタイミングが分からなくなる。
くちゅくちゅと音を出す頃には俺は、足に力が入らなくて。
「も…くるし…」
「まだ、ダメ…」
気持ち良すぎて…
チュッと音を立てて潤の唇は離れていった。
「もう、ダメ…」
