
僕は君を連れてゆく
第37章 背中合わせ
和也の啼く声が、俺の中心を熱くする。
しっとりと汗ばむ肌はあの頃となにもかわっていなくて。
固く閉じた蕾。
それが俺たちに出来た距離なんだと。
「潤…、やめないで…」
和也が全身を震わせて俺を受け入れようとしてくれている。
やめないで、と涙を流す和也。
「俺を見ろ。」
ゆっくり目を開けた和也。
「やめないよ。てか…俺もお前に挿れたい…」
始まりだ。
俺たちの始まりだ。
力を無くした和也を握り扱く。
先端からジワジワと溢れる蜜に嬉しさが込み上げる。
「…ぁん、あぁ…じゅん…」
指が3本自由に動くようになって、和也の声に甘さが戻って。
俺の俺は腹にくっつく位に勃ちあがって痛いくらい。
「…かず…いい?」
「ん…お願い…します…」
和也の目を見て、ゆっくり、挿れた。
俺にまとわりつくソレはギュッ、ギュッと収縮を繰り返していて。
気を抜いたら、持ってかれちまいそう。
「…じゅん…動いて…」
ゆっくり腰を引いては突く。
腰骨のぶつかる音。
粘着質なグチュングチュンという音。
「…はぁ…あ、あ、ヤバい…」
和也の途切れることのない啼き声。
白く細い足。
ピンクに染まり汗ばんだ肌。
全てが俺を。
「…イク…出ちゃう…」
「…俺も…」
震えた蕾から慌てて引き抜いて和也と一緒に腹に熱を吐き出した。
後始末を終え、ベットに横たわる和也を抱き締める。
小さな寝息をたてるその顔は昔とやっぱり何も変わらない。
「和也…俺のそばにいろ。どこへも行くな…」
頬に唇を寄せる。
俺はやり直そうと思った。今日からまた。
でも、それではダメだ。
また、始めればいいんだ。
