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僕は君を連れてゆく

第38章 いつか王子様が

―――

「帰り、本屋さん寄っていい?」

「私も行きたーい!」

「じゃぁ、みんなで行こー。」

私も赤と青のボールペン欲しいからな。

みんなで帰りに本屋さんに寄る話をしていて。
ふと、二宮くんを見た。
二宮くんは誰かを見ていて。
その誰か、は、相葉くんで。

やっぱり、と私は思った。

「ん?どうしたの?」

「なに?なに?」

「ううん!別に!何でもないっ!」

「二宮のこと見てたでしょ?」

バレてる!

「好きなの?」

まさか!そんな!

「違う!違う!なんか、最近よく笑うなぁって。」

「そう?わかんないよね?」

みんな、分からないって言う。

「ね!ほら!笑ってる!」

私が見た二宮くんは笑っている。
相葉くんを見て、微笑んでいて。

「あれ、笑ってるの?」

え?そこ?

私にはその微笑む二宮くんの顔は、
相葉くんへの愛しさが溢れているように思えて。

「ねっ!行こっ!」

「うん!」

背中を押されて、教室を後にした。




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