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僕は君を連れてゆく

第40章 沼

―said O


「うわっ!」

抱き締めた松本くんは驚いて、俺を押し返そうとして胸に手を置いた。
でも、その手を俺は握った。

「ちょっ、なんだよっ!離せっ!」

俺より、背の高い松本くんはいい香りがする。

「松本くんっ!」

「な、なんだよ…」

大きな声を出したら松本くんは肩をビクっとさせて捩る体を止めた。

「…すごく、いい香りする…」

「はぁ?」

「香水とかつけてるの?」

少し背伸びをして首筋に鼻を近づけた。

「な、なんだよっ!やめろよっ!」

「松本くんって肌白いよね、俺、黒いから…」

このYシャツを脱がせたら…
あぁ、ドキドキする。
それに、ムラムラしてきちゃった。

「お前っ!ちょ、離せ!なんだよ!どけって!」

俺のソコはガチガチになって、松本くんにスリスリしちゃってたみたいで…

「だって、松本くんとこんなに近くにいるんだもん…こうなっちゃうよ…」

松本くんだって…
俺を真っ赤な顔で見る。
顔を近づけていくと口を真一文字にしてるけど、顔を逸らしたりしない。

いいのかな。キスして…

しちゃうぞ?
俺、するぞ!

松本くんの唇にキスをした。


―said M

教室に戻ってきた大野は立ち上がった俺を抱き締めた。

胸を押したけどその手を上から握られて。
俺の首筋に大野が顔を寄せてきて…

ヤバい!ヤバい!

心臓がドク、ドクしてる。
大野に聞こえちまう。

「松本くんって肌白いよね…俺、黒いから…」

なんか、当たってる!
これって、ここにあるんだから…
アレだよな…

ヤバい!ヤバい!
どうしよ…

「だって、松本くんとこんなに近くにいるんだもん…こうなっちゃうよ…」

スリスリしてくんなよっ!
俺だって、俺だってっ!
ヤバい!ヤバい!

大野を見ると、見たことない顔してて…

あ、キスされる…
そう思った…

口から心臓が飛び出しそうで口を結んだ。

背伸びする大野。

俺は目を閉じた。

俺は大野とキスをした。









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