僕は君を連れてゆく
第41章 理由
Jun
まいちゃんが亡くなった。
まいちゃんが救急搬送されてきて、俺と櫻井先生と藍沢先生で開頭のオペをしたんだ。
トラックとの事故だったようで車体から体を出すのに時間がかかり病院に来るまでに脳へのダメージはかなりのものだったと想像できた。
まだ、小学校一年生だ。
たくさんの、管に繋がれているまいちゃんを見た家族はむせび泣いた。
俺は、命を助けたことに安堵していた。
が、櫻井は。
未来を、彼女に未来を与えたいと言った。
その時からだ。
目の前の命をがむしゃらに救う。
それは当たり前で。
少しでも患者たちに未来を、家族へ希望を。と。
この時からだ。
櫻井先生への気持ちが変化していったのは。
好きなタイプではあったが、確信に変わり。
手に入れた。
あまり、弱音を吐かない恋人だから。
ここだろうと。
誰にも見られずに涙を流せる場所は。
俺たちにはルールがあって。
職場では名前で呼ばない。
やはり、命と向き合う現場でプライベートを持ち込むことは違うからだ。
でも、こんなときは。
頼ってくれよ。
「潤…」
喫煙室は使われなくなってだいぶたつのに、臭いはまだまだ、残っていて。
抱きしめた翔の香りに心が安らぐ。
背中をポンポンと叩くと翔の肩の力が抜けた。
力の抜けたことをいいことにもっと、それを味わいたくて、こめかみに口づけた。
戸惑う翔の声が聞こえる。
その唇を塞ごうとしたら、
「ちょ…え?…おいっ!」
胸を強く押されて、顔を覗きこんだ。
「元気でた?」
「え?」
「全て理由がある。まいちゃんがお散歩へ行ったことにも。」
「………」
「まだまだ、翔を、櫻井先生を待ってる子供たちがいるだろ。」
翔をもう一度、抱きしめた。
まいちゃんが亡くなった。
まいちゃんが救急搬送されてきて、俺と櫻井先生と藍沢先生で開頭のオペをしたんだ。
トラックとの事故だったようで車体から体を出すのに時間がかかり病院に来るまでに脳へのダメージはかなりのものだったと想像できた。
まだ、小学校一年生だ。
たくさんの、管に繋がれているまいちゃんを見た家族はむせび泣いた。
俺は、命を助けたことに安堵していた。
が、櫻井は。
未来を、彼女に未来を与えたいと言った。
その時からだ。
目の前の命をがむしゃらに救う。
それは当たり前で。
少しでも患者たちに未来を、家族へ希望を。と。
この時からだ。
櫻井先生への気持ちが変化していったのは。
好きなタイプではあったが、確信に変わり。
手に入れた。
あまり、弱音を吐かない恋人だから。
ここだろうと。
誰にも見られずに涙を流せる場所は。
俺たちにはルールがあって。
職場では名前で呼ばない。
やはり、命と向き合う現場でプライベートを持ち込むことは違うからだ。
でも、こんなときは。
頼ってくれよ。
「潤…」
喫煙室は使われなくなってだいぶたつのに、臭いはまだまだ、残っていて。
抱きしめた翔の香りに心が安らぐ。
背中をポンポンと叩くと翔の肩の力が抜けた。
力の抜けたことをいいことにもっと、それを味わいたくて、こめかみに口づけた。
戸惑う翔の声が聞こえる。
その唇を塞ごうとしたら、
「ちょ…え?…おいっ!」
胸を強く押されて、顔を覗きこんだ。
「元気でた?」
「え?」
「全て理由がある。まいちゃんがお散歩へ行ったことにも。」
「………」
「まだまだ、翔を、櫻井先生を待ってる子供たちがいるだろ。」
翔をもう一度、抱きしめた。