
僕は君を連れてゆく
第43章 仰せのままに
どんどん、強くなる雨に私は決断をしなくてはならなかった。
進むのか、止まるのか。
「姫、こちらへ。」
馬車を置いて休めるところを探す。
馬はそのまま乗ってもらい屋敷へ帰るように伝えた。
雨が止んだら迎えに来るようにお願いして。
「ショウ、寒い。」
着ていたジャケットを脱いで姫の肩にかける。
「あそこに入りましょう。」
もう人が使ってないだろう納屋を見つけて入った。
「蒔きがありますね…火、着くかな…」
火を着けようと試みたが濡れてなかなか着かない。
こんなときに自分が慌ててはいけない。
姫は大丈夫か?
姫は肩を震わせている。
「ショウ。こういうとき、どうやって温めあうか知ってるか?」
「え?」
姫はうつむきながら小さい声で呟いた。
髪の毛は濡れて水滴が伝って落ちていく。
覗く白いうなじ。
「寒いよ。ショウ。温めてよ…」
姫の腕を引き腕の中に収めた。
姫の体は冷たくて。
「ショウ…」
私の名前を呼ぶ度に漏れる吐息は熱い。
さっき抑え込んだ熱がフツフツと沸き上がってくる。
ぐっと顔を上げた姫の顔は明らかに熱を持っていた。
「姫…意味をお分かりで…でも…」
私は唾を飲み込んだ。
「ショウがいい。ショウじゃなきゃ、やだ…」
姫が私の唇を塞ぐ。
それは思っていたよりも柔らかくて。
「姫…」
「ショウ…お願い…」
チュッ、チュッと唇を挟む。
「はぁ…ジュン、ジュンって呼んで…」
「あっ…ジュン…」
無我夢中で唇を味わう。
唾液の一滴さえも溢さないように。
「ショウ…好き…」
バッと、姫の肩を押した。
今、好き、と言った。
私を好きと。
「ショウも、好きでしょ?オレが。」
そう言って笑った顔は、私が見てきた姫の顔で
一番綺麗だった。
「はい。仰るとおりでございます。」
もう一度、唇を重ねた。
進むのか、止まるのか。
「姫、こちらへ。」
馬車を置いて休めるところを探す。
馬はそのまま乗ってもらい屋敷へ帰るように伝えた。
雨が止んだら迎えに来るようにお願いして。
「ショウ、寒い。」
着ていたジャケットを脱いで姫の肩にかける。
「あそこに入りましょう。」
もう人が使ってないだろう納屋を見つけて入った。
「蒔きがありますね…火、着くかな…」
火を着けようと試みたが濡れてなかなか着かない。
こんなときに自分が慌ててはいけない。
姫は大丈夫か?
姫は肩を震わせている。
「ショウ。こういうとき、どうやって温めあうか知ってるか?」
「え?」
姫はうつむきながら小さい声で呟いた。
髪の毛は濡れて水滴が伝って落ちていく。
覗く白いうなじ。
「寒いよ。ショウ。温めてよ…」
姫の腕を引き腕の中に収めた。
姫の体は冷たくて。
「ショウ…」
私の名前を呼ぶ度に漏れる吐息は熱い。
さっき抑え込んだ熱がフツフツと沸き上がってくる。
ぐっと顔を上げた姫の顔は明らかに熱を持っていた。
「姫…意味をお分かりで…でも…」
私は唾を飲み込んだ。
「ショウがいい。ショウじゃなきゃ、やだ…」
姫が私の唇を塞ぐ。
それは思っていたよりも柔らかくて。
「姫…」
「ショウ…お願い…」
チュッ、チュッと唇を挟む。
「はぁ…ジュン、ジュンって呼んで…」
「あっ…ジュン…」
無我夢中で唇を味わう。
唾液の一滴さえも溢さないように。
「ショウ…好き…」
バッと、姫の肩を押した。
今、好き、と言った。
私を好きと。
「ショウも、好きでしょ?オレが。」
そう言って笑った顔は、私が見てきた姫の顔で
一番綺麗だった。
「はい。仰るとおりでございます。」
もう一度、唇を重ねた。
