僕は君を連れてゆく
第43章 仰せのままに
俺の中にショウがいる。
じわりじわりと水の波紋のように全身を痺れが俺を包む。
「あぁ、ジュン…」
「くっ…はぁ…あぁ」
俺を揺さぶり、見下ろすショウの顔は見たこともない顔で。
何かに耐えるように口を結び、目を閉じてる。
時おり、漏れる声に俺の胸がキュってなる。
何かにすがりたくて腕を伸ばす。
「俺の肩を掴んで…」
「あん、あぁぁ…」
「ジュン…ずっと、あなたを…」
「ショウ…俺も…」
どこに行かないで、と言うようにショウの腰に自分の脚を絡める。
早さを増す、ショウの動きに息を絶え絶えなのに。
どこか夢を見てるような。
俺を包んでいた痺れは、とても甘くなる。
「ショウ、また、でちゃう…」
「あ、イけ、ジュン…俺も…」
俺の中でショウは果てた。
「ジュン…泣かないで」
俺の体がショウでいっぱいになって涙となって溢れてきて。
ショウが心配そうに俺を見下ろす。
「うれし…」
そう呟いたらますます、眉を下げた。
体を拭いてくれてワンピースをまた着せてくれる。
いつも、服を着るのは自分だからなんだかとても照れくさい。
ショウはなんてことない顔してるけど。
「なんですか?」
「自分でやるよ…」
「髪…」
話を変えられた。
ショウが俺の髪を触る。
「珍しいですね。結わないのは。」
ショウの肩に自分の頭を乗せたらショウは髪に唇を寄せた。
「ショウからもらった髪飾り、壊れちゃったの。」
壊れて直そうとして指を切ったことを話した。
俺の指をそっと咥えたショウ。
「痛みますか?」
俺は首を左右にふる。
「ショウが結婚するんだって思って、そうしたら壊れちゃって…俺たちも…離ればなれになるって…」
黙って俺の声に耳を傾けるショウ。
「今だけでもって思って…だけど…」
ショウに跨がり首に腕を回す。
「だけど?」
「ショウはずっと俺に、仕えるんだ。」
ショウは優しく微笑んで俺に甘いキスの雨を降らした。