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僕は君を連れてゆく

第44章 みんな、知ってた


はぁ~、もう、ドキドキしすぎてどうしていいかわからない。

移動車も楽屋の席も。

俺のとなりには大野さんがいる。

いつからこうなったのかなぁ。

嘘です。

こうなるようにしてます。

大野さんが座るところにさりげな~く移動して
気がつくと隣に俺がいるように。

そんなあなたに恋をして、もう何年だ?

何十年か。

こんだけ、こんだけ引っ付いてんのに大野さんはいつも大野さんなんだ。

そこが好きなんだけど。

だって、見たことあります?

こんなに長く芸能人やってるのに、テレビでしゃべらない人。

こんなに長く嵐なのに、釣り行き過ぎて真っ黒になっちゃう人。

俺は知らないよ。

あなただけ。

大野智だけなんだ。

最近の俺のお気に入りは大野さんの焦げた足の甲。

いわゆる、ビーサン焼けなんだけど。

綺麗な足は焦げてしまって、白いラインが入ってる。

あなたの足なんて何百回も見てるのに、この時期の焦げた足に俺はキュンとするんだ。

今日もいつものようにゲームをしてたら、大野さんが邪魔してきて。

こしょばってくる。

そんなんされたら、俺の心臓はどんどん早くなって今、心電図とってみたらあのオペ室の悪魔もビックリするような波形が出ちゃうと思うよ。

そして、このままこしょばられたら吐き気をもよおすから俺はコーヒーメーカーに逃げた。

相葉さんはなんかチクチクうるさいし。

兄貴ぶって…なんだよ…

大野さんの隣に戻るか…迷いながら振り向いたら、
目があった。


大野さん。

大野さん。

大野さん。


あー、もう、その顔。

俺は試されてるのか?

今すぐ抱きついて押し倒して…

心臓…止まりそう…

渡海先生!オペしてくださーい!

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