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僕は君を連れてゆく

第44章 みんな、知ってた


最初は勘違いかな?なんて思っていたけど。

もう何年たつだろうか。

ニノの大野さんを見る目が熱を宿すようになったのは。

それは、それは、可愛い恋で。

ただ、隣にいる。

恥ずかしがったり、憎まれ口を叩いたり…

でも、そのあと一人で大きく深呼吸してるんだ。

大野さんは、大野さんで。

ニノと二人きりになるのを避けてた時期があった。

案外、分かりやすいんだなぁって。

互いが一途にお互いだけを見ていた。というのとは違う。

どこか、その気持ちを確かめるように恋愛ごっこをしていたときもあった。

でも、ここ数年はそんなこともなくて。

駄々漏れな恋に俺たち三人は苦笑いの毎日なんだ。

手を貸してくっつけてやるように仕向けたほうがいいのかなぁ?なんて考えた時期もあったんだけど。

いい大人だしな…って。

もしこれが、男女の恋愛だったらどうだろう。

なんの躊躇いもなく告白して付き合って…って出来たのかもしれない。

だけど、同性同士の恋愛とは、そうもいかなくて。

これは、なんの嫉妬なんだろう。

これは、なんの苛立ちなんだろう。

って、恋と気づくまでにたくさんの葛藤が二人にはあったはずなんだ。

それを俺が(正確には俺たちが)口を挟むことじゃないと。

自然に、時間に任せれば抑えることの出来ない感情をぶつけ合う日がくるんじゃないかなぁ。

にしても…


「え?寝てる?」

ソファーで二人は頭をくっつけて眠っていた。

相葉くんはニノのゲーム機をそっと机に置いた。

「可愛いね…本当に…」

松潤は腹の出てる大野さんにジャケットを脱いでかけてあげて。

「どんな夢、見てんだろうね。」

俺もニノに着ていたパーカーを脱いでひっかてやった。




互いの夢を見ていたらいいなぁ。


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