僕は君を連れてゆく
第44章 みんな、知ってた
「二宮さん、明日の撮影延期になりました。」
「あっ!そう!そうなの?」
「でも、木曜日のあとに追加になります。」
「あ…、そぅ…そうなるよね…」
ニノの喜怒哀楽は声のトーンでよく分かる。
嬉しいんだなぁとか、めんどくさいんだなぁとか。
今のは、嬉しかったけど残念だわーのとき。
「なに?」
「え?」
「ざまぁみろ!って思ってんでしょ。」
口を尖らせて俺を睨むニノ。
「思ってねぇよ。」
「思ってるよ!その顔は、いい気味って顔だもん!」
こいつ…
どんな気持ちで俺がいるのかわかってねぇくせに。
「…いい気味なんて思ってねぇよ。」
「じゃぁなに?なんで、見てんの?」
「見てねぇよ!」
「見てたじゃん!」
売り言葉に買い言葉ってのはまさにこれで。
衣装から着替えながらグダグタと俺にケンカを吹っ掛けてくるニノに若干イライラしてきて。
「俺の気も、しらねぇくせにっ…」
「……なんて?」
「…ぁにが?」
「今…なんて…」
こういうときのニノは確信があるのに、それを俺に言わそうとしてくる。
「なんも、言ってねぇ…」
言ってしまったことは仕方がないけど、それをもう一回、口に出来るほどの勇気がない。
シャツを脱いで、ハンガーにかけて。
靴を脱いで、靴下も脱いで。
ここで、ニノの顔を見たらもう一回、言わなきゃいけなくなる。
だから、絶対にニノを見ない。
と思ってニノに背中を向けた。
目の前は鏡で、俯いてるニノが写ってる。
一軍のTシャツに短パンのニノ。
少し震えてる肩…
泣いて…る?
バッと顔を上げたニノと鏡越しに目があった。
「あっ!」
目が合うと思ってなかったのか、両手で口を塞いだニノ。
そして、震えてる肩はそのままに顔を真っ赤にしてる。
「ニノ…話がしたぃ…」
ブンブンと頭を上下にするニノ。
「あっ!そう!そうなの?」
「でも、木曜日のあとに追加になります。」
「あ…、そぅ…そうなるよね…」
ニノの喜怒哀楽は声のトーンでよく分かる。
嬉しいんだなぁとか、めんどくさいんだなぁとか。
今のは、嬉しかったけど残念だわーのとき。
「なに?」
「え?」
「ざまぁみろ!って思ってんでしょ。」
口を尖らせて俺を睨むニノ。
「思ってねぇよ。」
「思ってるよ!その顔は、いい気味って顔だもん!」
こいつ…
どんな気持ちで俺がいるのかわかってねぇくせに。
「…いい気味なんて思ってねぇよ。」
「じゃぁなに?なんで、見てんの?」
「見てねぇよ!」
「見てたじゃん!」
売り言葉に買い言葉ってのはまさにこれで。
衣装から着替えながらグダグタと俺にケンカを吹っ掛けてくるニノに若干イライラしてきて。
「俺の気も、しらねぇくせにっ…」
「……なんて?」
「…ぁにが?」
「今…なんて…」
こういうときのニノは確信があるのに、それを俺に言わそうとしてくる。
「なんも、言ってねぇ…」
言ってしまったことは仕方がないけど、それをもう一回、口に出来るほどの勇気がない。
シャツを脱いで、ハンガーにかけて。
靴を脱いで、靴下も脱いで。
ここで、ニノの顔を見たらもう一回、言わなきゃいけなくなる。
だから、絶対にニノを見ない。
と思ってニノに背中を向けた。
目の前は鏡で、俯いてるニノが写ってる。
一軍のTシャツに短パンのニノ。
少し震えてる肩…
泣いて…る?
バッと顔を上げたニノと鏡越しに目があった。
「あっ!」
目が合うと思ってなかったのか、両手で口を塞いだニノ。
そして、震えてる肩はそのままに顔を真っ赤にしてる。
「ニノ…話がしたぃ…」
ブンブンと頭を上下にするニノ。