僕は君を連れてゆく
第44章 みんな、知ってた
マネージャーの送りを断って、タクシーを呼んだ。
この先のことを考えると足がガクガクして立ってるのもやっと。
そんなカッコ悪いところを見せたくない。
「フフフ。」
隣で笑うニノ。
「アハハ…」
顔をゴシゴシと両手で擦りながら笑う。
「…?」
「緊張してるの?」
「え?」
「いつもと違って、背中シャキーンって…キョロキョロしてるし…」
バレてんじゃん。
「そりゃするわ…お持ち帰りすんだから…」
「え?!お持ち帰りされんの?」
「送り断って俺ン家(ち)来んだろ?そーゆうことだろっ…」
後から考えると、この時ニノはそこまで思ってなかったんだろうなぁ。
飯を食って帰るくらいに思ってたのかも…
だけど、俺はニノとキスして…キスしちゃったから
もっと、したいって。
キスしたあとのニノの照れる顔がまた見たくて。
「来た…行くぞ。」
ニノの腕をひいてタクシーに乗り込んだ。
道路は少し混んでいた。
タクシーの運転手さんが気を使って、
「事故があったみたいですけど…どうします?迂回しますか?」
俺は早く帰りたくて、お願いしようとした。
「いえ、このままで。」
遮るようにニノが言った。
驚いてニノを見たら、眉毛を下げて俺を見てた。
「時間はあるんだからさ…」
小さい声で言って窓に視線を移した。
そうだ。
焦るな俺。
明日は休みなんだから。
気持ちを落ち着かせたくて携帯をいじり始めた俺の反対の手をニノが握ってきた。
視線は窓に向けたまま。
その指は少し冷たくて。
緊張してるんだ。
ニノも。
俺はその手を握り返した。
ギュッとしたら、ギュッて返ってきて。
俺は大きく息を吐いた。
「緊張する…」
ニノは俺を見た。
「俺も…」
カッコつける必要なんてないんだ。
20年、見せてきたんだ。俺を。
情けない俺も、融通のきかない俺も。
タクシーはゆっくり動き出した。
この先のことを考えると足がガクガクして立ってるのもやっと。
そんなカッコ悪いところを見せたくない。
「フフフ。」
隣で笑うニノ。
「アハハ…」
顔をゴシゴシと両手で擦りながら笑う。
「…?」
「緊張してるの?」
「え?」
「いつもと違って、背中シャキーンって…キョロキョロしてるし…」
バレてんじゃん。
「そりゃするわ…お持ち帰りすんだから…」
「え?!お持ち帰りされんの?」
「送り断って俺ン家(ち)来んだろ?そーゆうことだろっ…」
後から考えると、この時ニノはそこまで思ってなかったんだろうなぁ。
飯を食って帰るくらいに思ってたのかも…
だけど、俺はニノとキスして…キスしちゃったから
もっと、したいって。
キスしたあとのニノの照れる顔がまた見たくて。
「来た…行くぞ。」
ニノの腕をひいてタクシーに乗り込んだ。
道路は少し混んでいた。
タクシーの運転手さんが気を使って、
「事故があったみたいですけど…どうします?迂回しますか?」
俺は早く帰りたくて、お願いしようとした。
「いえ、このままで。」
遮るようにニノが言った。
驚いてニノを見たら、眉毛を下げて俺を見てた。
「時間はあるんだからさ…」
小さい声で言って窓に視線を移した。
そうだ。
焦るな俺。
明日は休みなんだから。
気持ちを落ち着かせたくて携帯をいじり始めた俺の反対の手をニノが握ってきた。
視線は窓に向けたまま。
その指は少し冷たくて。
緊張してるんだ。
ニノも。
俺はその手を握り返した。
ギュッとしたら、ギュッて返ってきて。
俺は大きく息を吐いた。
「緊張する…」
ニノは俺を見た。
「俺も…」
カッコつける必要なんてないんだ。
20年、見せてきたんだ。俺を。
情けない俺も、融通のきかない俺も。
タクシーはゆっくり動き出した。