僕は君を連れてゆく
第44章 みんな、知ってた
「こっちはいつも通りしようとしてんだから、いつも通りにやれよ!」
「無理に決まってんじゃんっ…いつも通りってどんなだっけ?」
犬みてぇな顔してるとは思っていたけど、こんなに可愛い犬だったのか…
「だって…恥ずかしい…どうしていいか、わかんない…」
こいつはどこまで俺を…
風呂に入って少し落ち着こうって思ってたけど、無理だ。
「来いよ…」
「え?」
「風呂は後でいいや…」
ニノの腕をグイグイひいて寝室へ連れてきた。
ベッドに座らして、俺は着ていたTシャツを脱いだ。
ニノは耳を真っ赤にしてるけど俺から目をそらずにいて。
「お前がこんな可愛いなんて、知らなかった…」
ゆっくり、ニノを押し倒した。
「寒い?」
「…ちがっ、恥ずかしいんだよ…」
フルフル震える肩。
ギュッと硬く閉じたまぶたに唇。
ニノの素肌はサラサラしていて撫でると、ピクリと反応した。
唇を首筋に移すと少し口が開いて吐息を漏らす。
「ニノ…」
男相手にこんなことしたことないけど、何も考えずにこんなこと出来るのは、やっぱり、ニノ相手だから。
赤く染まる耳朶が美味しそうで、カプっと噛んだ。
「あっ…」
声を発したニノはさらに耳朶を赤くして口を両手で覆った。
今の声をもっと聞きたくて。
「も、や…あぁ…」
俺の下半身は猛烈に熱を集めている。
それはニノも同じで。
「あ、あっ…もぅ…おおのさぁん…」
「ニノ…触っていい?」
返事を聞く前に唇を塞ぐ。
ズボンをずらして出てきたそれは、もう蜜を纏っていて触らなくてもヒクヒクと揺れた。
チュプっと唇を離したら俺とニノを伝う唾液が、
潤うニノの瞳が俺を煽る。
そっと握って擦りあげると声にならない声をあげて体を捩る。
「も…イッちゃ…ぅ」
自分のズボンも下げてニノのと重ねた。
「ニノ…握って…」
ニノに握らせて俺は腰をスライドさせる。
「なっんだ…これ、やっば…」
「あっ、やだ…もぅだめぇ…」
二人で体を震わせてニノの手の中に吐き出した。