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僕は君を連れてゆく

第45章 ただ、ただ、愛しい

誰かに触られるのが初めて、な俺は、ふくらはぎに触れる雅紀の指にピクン、ピクンと体が反応する。

「まさ、き」

「なんて、声だすんだよっ…少し、腫れてるから冷やさないと…」

「平気…まさき…苦しいの…お願いっ」

俺の足の間に体をいれ雅紀の顔が俺に近づいてくる。

「いいの?」

「おねがっ」

最後の言葉は雅紀の唇に飲み込まれた。

「んっ、ふ」

初めてするキス。

雅紀の首に腕を巻き付ける。

「かずっ、ん、」

雅紀から溢れる吐息にますます、体が熱くなる。

少し唇を開けて雅紀の舌を俺の口のなかに誘う。

「ん、ん」

雅紀の舌が俺の歯列をなぞる。

舌を扱くように口の中を掻き回される。

だけど、雅紀の手は俺に触れない。

パイプ椅子に片腕をついたまま。

それがとてももどかしいんだけど、体が熱くて熱くて。

背筋から頭の先まで、雅紀に舐められてるような。

ジンジンする自分の中心。

「雅紀っ、ここ、触って…」

ズボンの上からでもわかるくらいに主張するそれは
下着の中でもう、溢れてきてるんだ。

「かず…ダメだよ… 」

雅紀の手をとり誘導する。

「あっ、おねがっ」

雅紀がしてくれないなら、ズボンのファスナーをおろす。

「雅紀っ」

取り出して扱く。

「あん、あ、」

雅紀が見てると思うとどんどん、溢れてくる。

「くっ、もう」

「かずっ、やめろって…」

「イクっ」

吐き出したのに、まだ、まだ、疼く体。

「雅紀、シテよ…」

白濁で濡れた指を舐める。

「雅紀、ね、シテ…」

また、自分のを握り直す。



雅紀に見つめられながら、自慰する俺。
Ωなんだ、これが、Ωの抱かれたい本能。

もしここに、雅紀じゃなくて、潤だったら…

きっと、同じことをしてただろう。

だって、吐き出しても、吐き出しても止まることのない欲が俺を包んでるから。



だけど、雅紀は俺の体に触れてはくれなかった。





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