僕は君を連れてゆく
第46章 助手席
緩やかな坂を上がったら、目下に広がるのは
無数の家の灯り。
「キレイ…」
「だろ?東京タワーから下の町を見下ろすとこんな感じに見えるだろ?あれが、ここでも見れんの」
「すご~い」
「この時期が一番、空気がキレイだから遠くまで見渡せるんだよ」
一足早い、クリスマスのイルミネーションのようで。
それを見てたら、やっぱり泣けてきた。
ニノ先輩はこんな景色をこれから、相葉ちゃんと見るんだろう。
隣には俺がいたかった。
俺があの肩を抱きたかった。
ニノ先輩の“トクベツ”になりたかった。
「智…俺じゃだめ?」
少し肌寒くなった気温で腕をさすっていたら、松潤が俺の肩に上着をかけてくれた。
フワリと暖かくなった肩の後ろから届いた言葉は信じられない言葉だった。
「え?」
振り返ると松潤は真っ直ぐに俺を見てる。
「出会ったときから、お前が、智が好きだった」
「嘘…だって、女の子と付き合ってたじゃん…」
「交際、はしてないよ。買い物に付き合ったりしたことは何度かあるけど」
「だって、車に…」
「助手席は、智しか乗せたことない」
「嘘…そんな…」
いつも松潤は俺を迎えにきては、松潤が助手席のドアを開けて乗せてくれてた。
降りるときだって、一緒に降りようとすると、必ず、待っててとドアを開けておろしてくれてた。
「俺以外乗せてないなんて、そんな…」
「智しか、乗せてない。智が俺の、トクベツ、だから」
松潤の“トクベツ”が、俺?
嘘だよ、そんなの。
無数の家の灯り。
「キレイ…」
「だろ?東京タワーから下の町を見下ろすとこんな感じに見えるだろ?あれが、ここでも見れんの」
「すご~い」
「この時期が一番、空気がキレイだから遠くまで見渡せるんだよ」
一足早い、クリスマスのイルミネーションのようで。
それを見てたら、やっぱり泣けてきた。
ニノ先輩はこんな景色をこれから、相葉ちゃんと見るんだろう。
隣には俺がいたかった。
俺があの肩を抱きたかった。
ニノ先輩の“トクベツ”になりたかった。
「智…俺じゃだめ?」
少し肌寒くなった気温で腕をさすっていたら、松潤が俺の肩に上着をかけてくれた。
フワリと暖かくなった肩の後ろから届いた言葉は信じられない言葉だった。
「え?」
振り返ると松潤は真っ直ぐに俺を見てる。
「出会ったときから、お前が、智が好きだった」
「嘘…だって、女の子と付き合ってたじゃん…」
「交際、はしてないよ。買い物に付き合ったりしたことは何度かあるけど」
「だって、車に…」
「助手席は、智しか乗せたことない」
「嘘…そんな…」
いつも松潤は俺を迎えにきては、松潤が助手席のドアを開けて乗せてくれてた。
降りるときだって、一緒に降りようとすると、必ず、待っててとドアを開けておろしてくれてた。
「俺以外乗せてないなんて、そんな…」
「智しか、乗せてない。智が俺の、トクベツ、だから」
松潤の“トクベツ”が、俺?
嘘だよ、そんなの。