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僕は君を連れてゆく

第47章   OTR  from.BB

情けないなぁ。
また、こんなのに巻き込まれちゃって…

薄暗い部屋のなかで天井を見つめる。

意識失ってどれくらいたったのだろうか。
腹は痛いし口のなかも血の味がして気分が悪い。

何にもすることがなくて、頭を浮かぶのは相葉のことばかり。

ボッーと天井のシミなんかを見ていたら下が急に騒がしくなった。

言い争う声がする。

階段を上る音と比例して言い争う声も大きくなっていく。


目の前のドアが開いた。

俺は咄嗟に目を閉じた。

「こんな、連れてきてどうする」

「だって、あなたが車に乗せろって言ったんじゃない」

「これじゃぁ、誘拐だぞ…どうするんだ…」

「だって、あの子が…」

「俺がなんだよ?」

「この人、どうするの?」

「うるせぇよ、でてけよっ」

「いいか、これはお前が勝手にやったんだ、父さんは何も知らない、いいな?」

「……」

「何もって、そんな言い方しなくても…」

「俺は真面目に生きてきたのに…お前が、お前のせいで父さんの人生はめちゃくちゃだ」

「うるせぇよっ」

「やめて!ね?ケンカはダメよ」

「お前らなんか親でもなんでもねぇよ」

「おい!」

さっきから聞いてれば、なんなんだ、これは。

バカな父親、バカな母親、バカな息子。
こんなやつらに俺は…

「おいっ!これを外せ 」

俺の声に驚いた三人は後ずさりしながら俺を見た。

「な、なんだよ、起きたのかよ」

「ずっと、起きてたよ、お前らのアホな会話聞いて寝てなんかいられねぇよ」

「アホって…なんで、そんな口をきく!」

母親は腰が抜けたのかお尻をついて真っ青な顔をしてる。

「お前も大変だな、こんなバカな親で」

「は?」

「なんてことを言ってる!俺が誰かわかって言ってるのか?」

「お兄さん、めっちゃ、面白いね…こいつら、マジでバカなんだよ」

「どっちがバカとか、そんなのどーでもいいんだよ、早くこの紐、ほどいてくんない?腕痛いんだわ」

「さっきから聞いてれば、貴様こそどんな教育を受けてきたんだ!目上の人間に対する態度ってもんがあるだろ」


ブッチーーーーーーーーーーン

堪忍袋の緒が切れた

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