
僕は君を連れてゆく
第50章 こんなにも
智は黒のニットにジーンズという姿だった。
「急にごめんね」
眉を下げて笑う顔は俺の知ってる智の顔で。
「なんで?」
「なにが?」
なんで、俺の家を知ってるの?
なんで、俺に会いに来たの?
なんで、俺はこんなにも智を…
「何しに来たんだよ…俺は、お前を…智をずっと無視してたのに…なんで…」
「この間はごめんね、無理矢理…あんな…」
あの日、立ち飲み屋で智にキスをされた日。
岡田くんは俺を待っていたけど、現れたのは智だった。
智は岡田くんに俺との関係を問い詰めた。
「岡田さんとは、恋人ではないだよね?」
「そんなのお前には関係ないだろ」
「あるよっ、なんで関係ないなんて言うんだよ」
声を荒げる智を見るのは始めてで。
「言ったろ、ずっと、ずっと会いたかった、今でも俺は翔くんがっ」
大声を出していたせいで体が熱くなっていると思っていたけどそうではなくて。
「翔くん、発情期なの?」
「えっ?」
「薬飲んでないの?」
「今日は、まだ、」
智が俺に近づいてくる。
智の手が俺の頬に伸びた。
「あっ…」
触れそうになって、ギュッと手のひらを握った。
「すごい、匂いなんだね」
ゴクリと唾を飲み込んで俺を抱き締めた。
「やめ、て…頼む…」
「辛いよね?わかるよ…俺もそうだから…」
「智…」
「翔くん…好き…」
俺の名を呼んで俺に触れた。
「急にごめんね」
眉を下げて笑う顔は俺の知ってる智の顔で。
「なんで?」
「なにが?」
なんで、俺の家を知ってるの?
なんで、俺に会いに来たの?
なんで、俺はこんなにも智を…
「何しに来たんだよ…俺は、お前を…智をずっと無視してたのに…なんで…」
「この間はごめんね、無理矢理…あんな…」
あの日、立ち飲み屋で智にキスをされた日。
岡田くんは俺を待っていたけど、現れたのは智だった。
智は岡田くんに俺との関係を問い詰めた。
「岡田さんとは、恋人ではないだよね?」
「そんなのお前には関係ないだろ」
「あるよっ、なんで関係ないなんて言うんだよ」
声を荒げる智を見るのは始めてで。
「言ったろ、ずっと、ずっと会いたかった、今でも俺は翔くんがっ」
大声を出していたせいで体が熱くなっていると思っていたけどそうではなくて。
「翔くん、発情期なの?」
「えっ?」
「薬飲んでないの?」
「今日は、まだ、」
智が俺に近づいてくる。
智の手が俺の頬に伸びた。
「あっ…」
触れそうになって、ギュッと手のひらを握った。
「すごい、匂いなんだね」
ゴクリと唾を飲み込んで俺を抱き締めた。
「やめ、て…頼む…」
「辛いよね?わかるよ…俺もそうだから…」
「智…」
「翔くん…好き…」
俺の名を呼んで俺に触れた。
