
僕は君を連れてゆく
第51章 左斜め上
「ニノ…」
こんな、雅紀を見たことない。
普段、バカみたいに笑ってるだけの男なのに。
すぐ泣くんだ。
悲しくても、悔しくても、嬉しくても泣く。
自分のことだけじゃなくて、誰かのために泣ける、
そんな奴で。
雅紀がいればそこは暖かいんだ。
ちょっと、恥ずかしいけど、お日様みたいなんだ。
雅紀の少し掠れた声。
俺の手首を押さえつける力はすごく強くて。
同じ男なのにびくともしない。
熱を宿した瞳。
こんな、雅紀、知らないよ。
雅紀の顔が近づいてきて。
怖い…
「やめろっ!」
「智も、来るって…」
「どした?」
潤くんと翔ちゃんが部屋に戻ってきた。
その瞬間、雅紀は俺から離れ元の場所に戻った。
俺はかたまった。
「ニノ、眠くなっちゃったんだって」
いつもの雅紀の声。
ほら、寝ていいよ。なんて声をかけてくれるけど俺と目は合わなくて。
こんなんで、寝れるわけない。
ってか、眠くないし!
「俺、帰る!」
「智も来るってよ?」
教科書やペンケースを鞄に押し込んでみんなを振り返らずに雅紀の部屋をあとにした。
つっかけてスニーカーを履いて出てきたため、
ちょっと、走ったら紐を踏んづけて転んだ。
「ってぇ!!!」
鞄のファスナーも開きっぱなしだったからひっくり返った鞄からバラバラと荷物が出てきて。
「あれ?かず?」
聞いたことのある声。
「智…」
荷物を鞄に入れてくれてスニーカーを履かせてくれる。
「…」
「何か飲むか?」
俺に手を差し出してくれた。
その手を掴もうとしたけど手首を雅紀に掴まれたことを思い出して、慌てて引っ込めた。
自力で立ち上がると少し驚いた智。
「雅紀の家行くんでしょ?」
「気が変わったの」
智はどんどん歩いていくからそれについて行った。
こんな、雅紀を見たことない。
普段、バカみたいに笑ってるだけの男なのに。
すぐ泣くんだ。
悲しくても、悔しくても、嬉しくても泣く。
自分のことだけじゃなくて、誰かのために泣ける、
そんな奴で。
雅紀がいればそこは暖かいんだ。
ちょっと、恥ずかしいけど、お日様みたいなんだ。
雅紀の少し掠れた声。
俺の手首を押さえつける力はすごく強くて。
同じ男なのにびくともしない。
熱を宿した瞳。
こんな、雅紀、知らないよ。
雅紀の顔が近づいてきて。
怖い…
「やめろっ!」
「智も、来るって…」
「どした?」
潤くんと翔ちゃんが部屋に戻ってきた。
その瞬間、雅紀は俺から離れ元の場所に戻った。
俺はかたまった。
「ニノ、眠くなっちゃったんだって」
いつもの雅紀の声。
ほら、寝ていいよ。なんて声をかけてくれるけど俺と目は合わなくて。
こんなんで、寝れるわけない。
ってか、眠くないし!
「俺、帰る!」
「智も来るってよ?」
教科書やペンケースを鞄に押し込んでみんなを振り返らずに雅紀の部屋をあとにした。
つっかけてスニーカーを履いて出てきたため、
ちょっと、走ったら紐を踏んづけて転んだ。
「ってぇ!!!」
鞄のファスナーも開きっぱなしだったからひっくり返った鞄からバラバラと荷物が出てきて。
「あれ?かず?」
聞いたことのある声。
「智…」
荷物を鞄に入れてくれてスニーカーを履かせてくれる。
「…」
「何か飲むか?」
俺に手を差し出してくれた。
その手を掴もうとしたけど手首を雅紀に掴まれたことを思い出して、慌てて引っ込めた。
自力で立ち上がると少し驚いた智。
「雅紀の家行くんでしょ?」
「気が変わったの」
智はどんどん歩いていくからそれについて行った。
