
僕は君を連れてゆく
第51章 左斜め上
ずっと、好きだった、んだと思う。
気がつくとその姿を探してた。
女の子と付き合ってやることヤってみても気になるのはお前、ニノだった。
ニノをそういう対象でみてると気がついたのはニノの部屋にお邪魔したときだ。
互いの部屋を行き来するようになって、泊まったりするようになって。
その日は土曜日で二人で遅くまでゲームをしてた。
泊まっていって、とニノにそっくりなお母さんの言葉に甘えてお風呂を借りた。
お風呂から出たらニノはベッドで寝てた。
声をかけようとベッドの横に屈んだらニノがもそっと動いた。
短パンから伸びた脚。
Tシャツの裾から覗いたお腹。
薄く開いた唇に細い首。
それに欲情した。
ゴロンと寝返りをうったらその短パンはさらにシワをよせて太ももが見えた。
それに手を伸ばした。
サラっとした肌に薄い体毛。
男なのか?と疑問を持ちたくなるくらいに。
俺の体は熱くなった。
「ぁ、でたの?」
寝起きの掠れた声に俺の中心が上を向くのを感じた。
それから、なんともない顔で隣にいるけど。
ずっと、ドキドキしてる。
ずっと、ニノをみてる。
ずっと、夢にみてる。
ニノが俺の腕のなかで悶え、喘ぐ姿を。
俺を受け入れ、もっとってねだる姿を。
男同士とか、親友とかそんなことを考える間もないくらい急速に膨らんだこの気持ち。
体育で着替えるときも、トイレで隣になったときも。
見たい、見たくない。のいったり来たり。
そんなときにもらった雑誌。
そいつは男同士でのそんな姿に面白くて見ろよってことだったと思うけど。
俺はそれにニノと自分を重ねて慰めた。
ニノはどんな声をだすんだろう。
ニノの乳首に触れたら、ニノの唇に触れたら…
思えば思うほど、気持ちよかった。
