僕は君を連れてゆく
第51章 左斜め上
「送るよ」
握った手。
思ったより柔らかくて、思ってた通りに小さい手。
ニノは俯いたままついてくる。
男同士で手を繋ぐなんて…
でも、誰も俺たちなんて見ちゃいない。
だから、いいよね。
「ニノ…」
名前を呼ぶと肩をピクリと震わせた。
人通りの少ない路地にニノを連れてく。
壁にニノを押し付ける。
上目遣いに見上げるその瞳は少し潤んでいる。
潤む瞳に歪んで写るのは俺。
こんな顔をさせたいわけじゃない…
悲しむ顔、苦しそうな顔を見たくなくて背を向けた。
トン…と背中に温もりが。
「まさき…」
回された腕。
おへその前にある手はさっきまで握っていた小さな手。
「嫌じゃない…」
耳を澄まして、なんにも聞き逃さないように。
「シテみる?」
ニノが震えていると思っていたら、それは俺だった。
背中に感じる、この熱は俺の?
それともの、ニノの?
「いいの?」
そう聞いたらギュゥと俺の腰に回される腕の力が強くなった。
ニノの気持ちが変わらないうちに、早く、早く。
腕をひいて俺の部屋まで走った。
走ってるときニノの顔は見れなかった。
家に帰ると母ちゃんがいたことを思い出して、
やっぱり無理だって思った。
「おばさん、今日お泊まりしてもいい?」
「あら?いいわよ!じゃぁ、おばさん、かずくんのために夕飯張り切っちゃお!」
買い物行くわね~って出ていった。
車の鍵を持ったから向こうのショッピングセンターまで行くんだ。
「行こ」
握ったままだった手をまた引っ張って部屋に連れていく。
部屋に入り、ドアにニノを押し付けてキスをした。
首に回るニノの腕に高鳴る胸。
少し開いた唇に舌を差し込む。
唾液を交換するように舌を絡めると鼻から抜けるような声がしてきて。
絡み合う水音と相まってさらに胸は熱くなり、中心は熱を溜めていく。
「んふ、まさ、きっ…」
「ニノ…んっ」
握った手。
思ったより柔らかくて、思ってた通りに小さい手。
ニノは俯いたままついてくる。
男同士で手を繋ぐなんて…
でも、誰も俺たちなんて見ちゃいない。
だから、いいよね。
「ニノ…」
名前を呼ぶと肩をピクリと震わせた。
人通りの少ない路地にニノを連れてく。
壁にニノを押し付ける。
上目遣いに見上げるその瞳は少し潤んでいる。
潤む瞳に歪んで写るのは俺。
こんな顔をさせたいわけじゃない…
悲しむ顔、苦しそうな顔を見たくなくて背を向けた。
トン…と背中に温もりが。
「まさき…」
回された腕。
おへその前にある手はさっきまで握っていた小さな手。
「嫌じゃない…」
耳を澄まして、なんにも聞き逃さないように。
「シテみる?」
ニノが震えていると思っていたら、それは俺だった。
背中に感じる、この熱は俺の?
それともの、ニノの?
「いいの?」
そう聞いたらギュゥと俺の腰に回される腕の力が強くなった。
ニノの気持ちが変わらないうちに、早く、早く。
腕をひいて俺の部屋まで走った。
走ってるときニノの顔は見れなかった。
家に帰ると母ちゃんがいたことを思い出して、
やっぱり無理だって思った。
「おばさん、今日お泊まりしてもいい?」
「あら?いいわよ!じゃぁ、おばさん、かずくんのために夕飯張り切っちゃお!」
買い物行くわね~って出ていった。
車の鍵を持ったから向こうのショッピングセンターまで行くんだ。
「行こ」
握ったままだった手をまた引っ張って部屋に連れていく。
部屋に入り、ドアにニノを押し付けてキスをした。
首に回るニノの腕に高鳴る胸。
少し開いた唇に舌を差し込む。
唾液を交換するように舌を絡めると鼻から抜けるような声がしてきて。
絡み合う水音と相まってさらに胸は熱くなり、中心は熱を溜めていく。
「んふ、まさ、きっ…」
「ニノ…んっ」