僕は君を連れてゆく
第53章 ミモザイエロー
「あっ…」
「和…、足持ち上げて」
「うん…んぁ、」
「挿入れるよ…んっ」
「はぁ…」
帰ってきて二人でシャワーを浴びたら明日が休みということもあって一戦交えた。
「髪乾かしなって」
「別に大丈夫」
「ほら、おいで」
雅紀の大きな手が俺の頭を触る。
ドライヤーの音に重なって雅紀の鼻歌が聞こえる。
俺は思う。
この人はとことん、俺に甘いって。
いつも、優しい。
深く大きな愛を感じる。
この瞬間だって。
だけど、それを永遠とは思わない。
人の心を縛り付ける何か、があればいいのにと。
俺だけを見てって。
「はい!出来上がり」
「ありがと」
何気ないしぐさを明日の雅紀が、
なんでこんなことやってんだろう?
って、疑問に思ってしまったら。
この毎日に疑問を持ってしまったら。
俺たちなんて。
俺たちなんて。
「ほら、おいで、寝よう」
ベッドに入る雅紀が布団をめくり俺を眠りへ誘う。
「明日、どっか行く?」
「うーん、どうしようか…」
「春のブルゾン見に行かない? 」
「ブルゾン…」
雅紀から香るシャンプーの匂いに安らぎを感じる。
首筋に吸い寄せられるように、口づける。
チュ チュ チュ
「うん?なぁに?もっかいスル?」
雅紀の唇が俺の唇を塞ぐ。
俺の口内を犯す熱い舌。
「口でしたあげる」
「えっ?そんな、いいよ」
雅紀の熱を溜め込む中心を口内の奥に招きいれる。
「あ…和…」
余計な事を考えないように夢中でしゃぶった。
「口、離して…出ちゃう…あっ! 」
ドクン ドクン と俺の口内に溢れる雅紀の熱。
「飲まなくていいのに…」
飲み込んだら雅紀に抱きしめられた。