
僕は君を連れてゆく
第53章 ミモザイエロー
Masaki
「ネクタイ、ネクタイ…」
翔ちゃんが出向くはずだった視察。
しかし、翔ちゃんが体調を崩し休んでしまい、
ピンチヒッターに任命された。
何の準備もしてない俺は翔ちゃんから送られてくるメールを片っ端から読み込む。
視察に一緒に行くのは宮崎さんだ。
「相葉さん、よろしくお願いします」
タクシーに乗り込み目的地を告げる。
隣に座り、今回の視察の目的を話してくれる。
「……って感じなんですけど…伝わりましたか?」
「うん、分かりやすかったよ、ありがとう」
そう答えたら、よかった、と背中をつけた。
「なかなか、視察に動向させてもらえることないので今日、気合い入ってたんです」
その気合いの表れなのか、長い髪の毛はまとめられていたし、パンツスーツだった。
目的地まではタクシーと電車で三時間はかかる。
帰りはおそくなりそうだな。
「ネクタイ…」
「ん?」
「ネクタイなんてあまり見たことないから、新鮮です」
「あぁ、そうだよね。締め付けられるのが嫌で会社ではしてないからね」
「してこないんですか?」
「うん、でもデスクに2本入れてあるんだ」
「そうなんですね…」
「こんなときのためにね」
「はい」
ニコリと笑い返事をするその顔はとても可愛らしい。
「たまには使ってあげないと…」
ネクタイを少し緩める。
「就職祝いなんだ、これ」
「……ご両親から?…じゃないですよね」
「両親からお祝いなんてもらう?」
わざと、こうやってしゃべっていることに気づいてるだろうか。
向こうについて、隙を見て和に連絡しなければならない。
タクシーから電車に乗り継ぎ、予定通り、目的地についた。
「時間通りだね」
「はい」
「ネクタイ、ネクタイ…」
翔ちゃんが出向くはずだった視察。
しかし、翔ちゃんが体調を崩し休んでしまい、
ピンチヒッターに任命された。
何の準備もしてない俺は翔ちゃんから送られてくるメールを片っ端から読み込む。
視察に一緒に行くのは宮崎さんだ。
「相葉さん、よろしくお願いします」
タクシーに乗り込み目的地を告げる。
隣に座り、今回の視察の目的を話してくれる。
「……って感じなんですけど…伝わりましたか?」
「うん、分かりやすかったよ、ありがとう」
そう答えたら、よかった、と背中をつけた。
「なかなか、視察に動向させてもらえることないので今日、気合い入ってたんです」
その気合いの表れなのか、長い髪の毛はまとめられていたし、パンツスーツだった。
目的地まではタクシーと電車で三時間はかかる。
帰りはおそくなりそうだな。
「ネクタイ…」
「ん?」
「ネクタイなんてあまり見たことないから、新鮮です」
「あぁ、そうだよね。締め付けられるのが嫌で会社ではしてないからね」
「してこないんですか?」
「うん、でもデスクに2本入れてあるんだ」
「そうなんですね…」
「こんなときのためにね」
「はい」
ニコリと笑い返事をするその顔はとても可愛らしい。
「たまには使ってあげないと…」
ネクタイを少し緩める。
「就職祝いなんだ、これ」
「……ご両親から?…じゃないですよね」
「両親からお祝いなんてもらう?」
わざと、こうやってしゃべっていることに気づいてるだろうか。
向こうについて、隙を見て和に連絡しなければならない。
タクシーから電車に乗り継ぎ、予定通り、目的地についた。
「時間通りだね」
「はい」
