
僕は君を連れてゆく
第53章 ミモザイエロー
「地盤の改良は必要なさそうでよかったね」
「はい。ただ駅からかなり遠いですよね」
「シャトルバスとか考えてみるのもありかな」
視察を終えて、コーヒーショップに立ち寄った。
今日見たこと、聞いたことをまとめなくちゃならない。
時間は16時を過ぎていて、このまま戻ったら20時すぎだ。
「ちょっと、ごめん」
席を立ちトイレの個室に入った。
電話をかけようか、と思ったけどやめた。
メッセージを送ろうと操作をしていたら、翔ちゃんからメッセージがきた。
電話をくれ、とあって。
個室を出て、電話をかけた。
和にメッセージをしていないことにそのときは、
気がついてなかった。
席に戻って翔ちゃんから連絡きたことを話し、すぐに会社に戻って資料を作ろうということになった。
飲みかけのコーヒーはすっかり冷めていた。
電車に揺られながら、ドアに写る自分。
ネクタイを外してバックにいれた。
このネクタイは和が俺にプレゼントしてくれたもの。
「そのネクタイ…」
「ん?」
「本当によく似合ってます」
「そう?ありがと」
和にもネクタイをプレゼントしたのを思い出していた。
互いに就職祝いにネクタイを贈りあった。
入社初日、二人で鏡の前に立ち並んでネクタイをしめたあの日。
照れて、照れて。
でも、身が引き締まる、ってこれかって体感したな。
「なに、考えてるんですか?」
「ん?」
「こうやって、並んでる私たちって周りからどう見られてますかね?」
ドアに写る俺と宮崎さん。
「同僚…でしょ?」
「ただの?」
参ったな。
「あのさ、」
「そういえば、さっきのシャトルバスの件ですけど…」
仕事の話にすり替えられてしまった。
駅からタクシーで会社まで戻ることにした。
「乗って」
後部座席に座り二人で視察先でもらったパンフレットを見ていた。
「はい。ただ駅からかなり遠いですよね」
「シャトルバスとか考えてみるのもありかな」
視察を終えて、コーヒーショップに立ち寄った。
今日見たこと、聞いたことをまとめなくちゃならない。
時間は16時を過ぎていて、このまま戻ったら20時すぎだ。
「ちょっと、ごめん」
席を立ちトイレの個室に入った。
電話をかけようか、と思ったけどやめた。
メッセージを送ろうと操作をしていたら、翔ちゃんからメッセージがきた。
電話をくれ、とあって。
個室を出て、電話をかけた。
和にメッセージをしていないことにそのときは、
気がついてなかった。
席に戻って翔ちゃんから連絡きたことを話し、すぐに会社に戻って資料を作ろうということになった。
飲みかけのコーヒーはすっかり冷めていた。
電車に揺られながら、ドアに写る自分。
ネクタイを外してバックにいれた。
このネクタイは和が俺にプレゼントしてくれたもの。
「そのネクタイ…」
「ん?」
「本当によく似合ってます」
「そう?ありがと」
和にもネクタイをプレゼントしたのを思い出していた。
互いに就職祝いにネクタイを贈りあった。
入社初日、二人で鏡の前に立ち並んでネクタイをしめたあの日。
照れて、照れて。
でも、身が引き締まる、ってこれかって体感したな。
「なに、考えてるんですか?」
「ん?」
「こうやって、並んでる私たちって周りからどう見られてますかね?」
ドアに写る俺と宮崎さん。
「同僚…でしょ?」
「ただの?」
参ったな。
「あのさ、」
「そういえば、さっきのシャトルバスの件ですけど…」
仕事の話にすり替えられてしまった。
駅からタクシーで会社まで戻ることにした。
「乗って」
後部座席に座り二人で視察先でもらったパンフレットを見ていた。
