
僕は君を連れてゆく
第53章 ミモザイエロー
「あんまり、悩むなよ」
潤くんに肩をポンポンと叩かれデスクに戻った。
全然、食べれなかった。
美味しそうだったのに。
あの二人、付き合ってたんだ。
知らなかったなぁ、もうすぐ結婚するんだ。
女の子って、やっぱりプロポーズとかきちんとされたいんだなぁ。
大変だなぁ。男って…
って、俺も男だよ。
女の子は男に約束を求める。
記念日はサプライズをしないといけないし、
お誕生日はレストランを予約しないといけない。
わずらわしい女の子同士の見栄の張り合いに男が利用されてるんじゃないかとさえ感じる。
俺たちの間にはそんなものはなくて、純粋に気持ちが通じ合っている。
そんな風に思ってた。
ううん。
思い込んでた。
そう、思おうとしてた。
だけど、今の俺は俺が嫌っていた女の子たちと
なんも変わらない。
純粋に好きな気持ちだけでは足りないんだ。
俺だけのお前、っていう確かな何か、が欲しいんだ。
雅紀は俺だけだと思ってる。
だけど、それを間違いだと、言われたら。
雅紀は優しいから
雅紀は悩んで苦しむだろう。
そんな、雅紀を俺は見たくない。
違う。
そんなことで、雅紀を悩ませたくない。
違う。
そんなことで、悩んで欲しくない。
これだ。
だから、俺だけだと。
俺しかいないと。
ほら、女の子となんら変わらない。
仕事帰りは雨が降っていた。
傘をさして行き交う人たちの波に乗る。
雅紀は傘持ってるかな?
「行こう」
なんで来たの?って言われたら、傘を見せればいい。
きっと、笑ってくれる。
なんなら、持ってる傘をわざと閉じて俺の傘に入ってくれる。
乗った波に逆らった。
潤くんに肩をポンポンと叩かれデスクに戻った。
全然、食べれなかった。
美味しそうだったのに。
あの二人、付き合ってたんだ。
知らなかったなぁ、もうすぐ結婚するんだ。
女の子って、やっぱりプロポーズとかきちんとされたいんだなぁ。
大変だなぁ。男って…
って、俺も男だよ。
女の子は男に約束を求める。
記念日はサプライズをしないといけないし、
お誕生日はレストランを予約しないといけない。
わずらわしい女の子同士の見栄の張り合いに男が利用されてるんじゃないかとさえ感じる。
俺たちの間にはそんなものはなくて、純粋に気持ちが通じ合っている。
そんな風に思ってた。
ううん。
思い込んでた。
そう、思おうとしてた。
だけど、今の俺は俺が嫌っていた女の子たちと
なんも変わらない。
純粋に好きな気持ちだけでは足りないんだ。
俺だけのお前、っていう確かな何か、が欲しいんだ。
雅紀は俺だけだと思ってる。
だけど、それを間違いだと、言われたら。
雅紀は優しいから
雅紀は悩んで苦しむだろう。
そんな、雅紀を俺は見たくない。
違う。
そんなことで、雅紀を悩ませたくない。
違う。
そんなことで、悩んで欲しくない。
これだ。
だから、俺だけだと。
俺しかいないと。
ほら、女の子となんら変わらない。
仕事帰りは雨が降っていた。
傘をさして行き交う人たちの波に乗る。
雅紀は傘持ってるかな?
「行こう」
なんで来たの?って言われたら、傘を見せればいい。
きっと、笑ってくれる。
なんなら、持ってる傘をわざと閉じて俺の傘に入ってくれる。
乗った波に逆らった。
