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僕は君を連れてゆく

第53章 ミモザイエロー

「どこ?どれ?」

俺と和の待ち合わせに着いてきたのは
翔ちゃんだ。

「なんで、来んの?」

「いいじゃん!会わせてよ!」

「雅紀!」

後ろから声が聞こえて振り返ったら、和が俺に向かって手を振りながら走ってきた。

「男?」

可愛いだろう?そうだろう?そんじゃそこらの女より和の方がずっと、可愛いんだから!

「和!」

「雅紀の方が早かったね」

「今、来たとこだよ」

「なぁ!なぁ!」

「あ、この人、櫻井翔さん」

「どうも。櫻井翔です」

低い声を出して名刺を和に手渡している。

「いつも、うちの相葉がお世話になってます」

ペコリと頭を下げて名刺を受け取っている。

しかも、うちの…って…グッとくる!

俺は和の肩に腕を回して翔ちゃんに親指を立てて
「俺の嫁さん」

と言った。

「バカ!なに、言ってんだ!」

足を蹴られる俺を翔ちゃんがお腹を抱えて笑う。

「本当にすいません、こいつ、バカなんで」

「ちょっと、手足が長いからってね?」

「そうなんですよ…迷惑かけてませんか?」

「そう言えばこの間…」

和と翔ちゃんは俺について話始めたら意気投合。

「おい、おい!それを言うな!」

「いや、俺には聞く権利がある!」

「そうだ!俺には話す権利がある!」

学生時代の友達数人には俺たちのことを話してきたけど社会人になって、こんな光景を見ることが出来るなんて。

「雅紀!置いてくよ!」

「早くしろ!」

「えっ!?ってか、翔ちゃんもう帰れば?」

「なんでだよ!」

「だって、和と会ったでしょ!」

「お前らはこれから二人でお楽しみなのに、俺には誰もいない部屋に帰れってか!!」

「そうだ!そうだ!汚い部屋になんて帰りなくないぞ!」

「そうだ!ってなんで部屋が汚いって知ってんの?」

「やっぱり!足の踏み場もないでしょ?」

「なに?!エスパーですか?」

「アハハハ!この人、面白いね」

まぁ、いいか。和が笑ってくれれば。

「おし、翔ちゃんにご馳走になろう!」

「そうだ!そうだ!」

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