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僕は君を連れてゆく

第55章 パパラッチ

私は頭のなかを整理したくて海から程近いカフェに入った。


新しく出来た建物のようで若い子たちで店内は溢れている。


ここのスフレパンケーキ、一度、食べて見たかったんだよね。

頭のなかを整理したくて入ったんだぞ!


運ばれてきたパンケーキは、生クリームと果物が装飾されている。


「美味しそう…頂きます!」


ひとくち、口に入れようとしたとき。


「あ!」

「あ!」


櫻井翔だ。


「さ、櫻井さんっ!?!!」


「よく会うね」


「お一人で?そんなわけないですね、今日は誰と?」


「この後、会うんだよ」


「デートですか?」


「クフフ、まぁ、ある意味デートだね」


スクーーープ!!!!!


マジか!?


辺りを見回しても櫻井翔だ!と騒ぐ若い子はいない。


みなさーん、翔やんですよ~


「バレないんですか?」


「騒ぐ人なんてほとんどいないよ、落ち着いたんだよ」


「へぇ~、寂しくないですか?」


「なにが?」


「外に出ることさえ、ままならなかったのに…
プライベートなんてなかったでしょ?」


「だから、余計に感じるよ、嵐の偉大さを」


「偉大さ…」


「五人が集まることでの、パワーってのをみんなが期待してて、それに応えたいからってやってきたからね」


「今は?」


「今?」


「はい、みなさん、バラバラですよね?」


「バラバラに見えるのか…うーん、そのバラバラな道が繋がると信じて俺はやってる、少なくとも」


「繋がりますか?」


「それは、俺ら次第」


つまりは、嵐の活動再開は自分達次第で。

それは、つまりは…


「あ、きた!」


カランコロンとドアの開く音がして、櫻井さんがドアに向かって手を振る。

私も目線をそちらに動かす。


「リーダー…」



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