僕は君を連れてゆく
第58章 この手をのばして
「お兄さん、お兄さん♡」
もうすぐ終電の時間。
ほどよく酔っ払った足取りの覚束ないサラリーマンたちがウロウロしてる。
今日の宿、探さなきゃならない。
「んぁぁ?」
やべぇのに声かけちゃったかな?
声をかけて振り返ったソイツの目はすわってて、
口元に血が滲んでいた。
たいがい、酔ってる人間に一晩泊めて?と可愛くおねだりすれば回ってない頭のおかけでOKしてくれるんだけど…
今日はやっちまった…
「あんだ?てめぇ」
その酔っ払っいは俺の胸ぐらを掴んだ。
「あぁ~、ごめんなさい!ね!大きな声出すのはやめにしましょ」
声を荒げるサラリーマンに冷静になってと声をかける。
でも、それが癪に触ったようで。
「おめぇから、声かけてきたんだろうがっ!えぇ!」
声まで張り上げて俺を突き飛ばした。
「いってぇ…」
このまま逃げるに越したことはない。
突き飛ばされてしりもちをついてた。手のひらも擦ってしまい見たら血が滲んでるし。
「おいっ!お前、こっちこいよ!」
サラリーマンは俺を引きずるようにして駅の障害者用トイレに押し込んだ。
ベルトをカチャカチャとはずしてる。
「お兄さん、シテあげるからトイレはやだよ」
「えらそーな口きいてんなよ」
こんな汚いところで…
膝まつかされサラリーマンのを咥える。
全然、興奮しない。
なんで、こんなことになっちゃったんだろ。
「ほらほら、舌も使えよ」
お構い無しに腰を振ってきて苦しい。
このままじゃ、吐きそう…
酔ってるせいでなかなか勃たないし…
やだ、もう…