僕は君を連れてゆく
第58章 この手をのばして
お風呂の椅子に座る俺の頭を泡だらけにして
シャンプーしてくれる。
「はーい、流すよ~」
目を閉じると温かいシャワーが頭から降ってくる。
「はーい、トリートメントしまーす」
「いいよ、自分でやるよ」
「いいの、いいの、やりたいの!俺が」
「じゃぁ、俺も雅紀さんのやる」
「カズはいいよ、ね?俺にヤらせて?」
熱っぽい声が耳に響いてくる。
「…んっ…」
「感じた?」
耳に雅紀さんの舌が入り込んできて。
耳たぶをはむっと食され、舌が滑ってく。
「…や…ぁん…」
「カズ…、美味しい…」
「ね?キスしたぃ…」
「うん、俺も…」
首を後ろにひねり、雅紀さんの唇を味わう。
シャワーの音に消されてるけど、きっと、
いやらしい音がこの浴室に響いてるはず。
「あぁ…」
「ベット行こうっ」
体を洗うのもそこそこに濡れたままベットに二人でなだれこむ。
「カズぅ」
「うん…はぁ…」
唇のキスから耳、首、鎖骨と吸われ、舐められて。
それだけで、俺は息も絶え絶えで。
「ね、もぅ…」
擦れあう互いの硬く熱いの。
濡れて滑りがよくなってるそれを握る。
腰を動かす雅紀さんの色っぽい顔に俺は煽られる。
「もう、ヌルヌルだね」
「こっちも、」
「うん、」
お尻を高くあげられ晒されたソコ。
恥ずかしいくらいに息づいてる。
「可愛いね、ココ」
「やだぁ…」
雅紀さんの指が俺のなかにはいってくる。
ゆっくりと。
俺の内側が雅紀さんの指を飲み込んでいる。
どんどん柔らかくなっていくのがわかる。
気持ちよくて、気持ちよくて。
これだけで、イッちゃいそう…
グチュと雅紀の指が出ていく。
「あぁん!イキたかったぁ…ん…」
「こっちでね、ほら」
雅紀さんのが俺の中に。
俺の呼吸に合わせて。
すごく、優しくて。
「うぅ、あぁ、はいってくるぅ…」
「あぁ、すごい、カズ…」
奥まで雅紀のが届く。
「たまんねぇ…」
背中に雅紀さんの胸があたって抱き締められながら
腰を送ってくる。
汗も涙も全部、俺から滴る蜜でさえも一緒になっていく。
重なりあうのは一ヶ所だけなのに。
こんなにも、満たされる。