僕は君を連れてゆく
第59章 巡る季節のなかで
メールしようかな?
いやいや、ビックリさせようかな?
ビニール袋にいれてくれたタッパーに入った麻婆豆腐をそっと持ち上げて鼻をクンクンさせる。
「いい匂い…お腹すいたぁ」
「なんか食べいく?」
「え?」
振り返ったら常連さんのあのおじさんがいた。
「今から店に行こうとしたら楽しそうに歩いてる子いてね、よかったぁ、会えて」
「店はまだ親父さんたちで営業してますから」
早く、ここから逃げなきゃ、そう思った。
「お腹空いるんでしょ?連れてってあげるから」
「いえ、大丈夫です」
後ろへ一歩ずつ下がっていく。
「そんな、遠慮しないで」
走りだそうとして、足に力をいれて。
「痛いっ」
おじさんが急に膝まづいてくるぶしをさすっている。
「どうしたの?」
思わず駆け寄ったら、腕をガシッと掴まれてしまった。
「思ってた通り、優しい子だね」
ゾワリと背筋を冷たいものが通り抜けるような
そんな笑顔を俺に向けて。
「やだ」
「まぁまぁ逃げんなって」
おじさんだからって油断した。
結構な力で俺を引きずるように歩かせる。
雅紀さんのお父さんとお母さんが持たせてくれた麻婆豆腐はそこ置いたまま。
バチが当たったのかも…
やっぱり、俺はこーなる運命なんだ…
おじさんは俺を倉庫みたいなところに連れてきた。
「昔、ここで酒屋やってたんだよ…」
そう言われると瓶ビールのケースがたくさん積まれている。
「今は閉めちゃったけどね」
「何…するの…?」
「分かってるだろ…」
汚い倉庫か…
こんなところでヤられるの久しぶりだな
今は雅紀さんと住むあの部屋で…
「泣いても誰も来ないよ」
「早くしろよ」
「生意気な口もきけるんだね」
俺の頬をおじさんは撫でた。
顔が近づいてきたからキスだけはしたくなくて
顔を横にむけた。
「キスしたいけど…あとでいっか…」
Tシャツをまくりあげて俺のお腹を舐めてくる。
雅紀さん、ごめんなさい。
俊、ごめんなさい。
父さん、母さん、ごめんなさい。
いやいや、ビックリさせようかな?
ビニール袋にいれてくれたタッパーに入った麻婆豆腐をそっと持ち上げて鼻をクンクンさせる。
「いい匂い…お腹すいたぁ」
「なんか食べいく?」
「え?」
振り返ったら常連さんのあのおじさんがいた。
「今から店に行こうとしたら楽しそうに歩いてる子いてね、よかったぁ、会えて」
「店はまだ親父さんたちで営業してますから」
早く、ここから逃げなきゃ、そう思った。
「お腹空いるんでしょ?連れてってあげるから」
「いえ、大丈夫です」
後ろへ一歩ずつ下がっていく。
「そんな、遠慮しないで」
走りだそうとして、足に力をいれて。
「痛いっ」
おじさんが急に膝まづいてくるぶしをさすっている。
「どうしたの?」
思わず駆け寄ったら、腕をガシッと掴まれてしまった。
「思ってた通り、優しい子だね」
ゾワリと背筋を冷たいものが通り抜けるような
そんな笑顔を俺に向けて。
「やだ」
「まぁまぁ逃げんなって」
おじさんだからって油断した。
結構な力で俺を引きずるように歩かせる。
雅紀さんのお父さんとお母さんが持たせてくれた麻婆豆腐はそこ置いたまま。
バチが当たったのかも…
やっぱり、俺はこーなる運命なんだ…
おじさんは俺を倉庫みたいなところに連れてきた。
「昔、ここで酒屋やってたんだよ…」
そう言われると瓶ビールのケースがたくさん積まれている。
「今は閉めちゃったけどね」
「何…するの…?」
「分かってるだろ…」
汚い倉庫か…
こんなところでヤられるの久しぶりだな
今は雅紀さんと住むあの部屋で…
「泣いても誰も来ないよ」
「早くしろよ」
「生意気な口もきけるんだね」
俺の頬をおじさんは撫でた。
顔が近づいてきたからキスだけはしたくなくて
顔を横にむけた。
「キスしたいけど…あとでいっか…」
Tシャツをまくりあげて俺のお腹を舐めてくる。
雅紀さん、ごめんなさい。
俊、ごめんなさい。
父さん、母さん、ごめんなさい。