僕は君を連れてゆく
第59章 巡る季節のなかで
やってきた週末。
「和、気を付けてね」
「うん…ちょっと緊張してるけど…」
「大丈夫だから」
◇◇◇
懐かしい…と感じるような町並みを想像してたけど。
「変わったな…」
なにもなかったただの空き地は綺麗に整備され
緑の多い公園になってて。
母親に連れられた小さな子供たちが多く遊んでいた。
空き地にピクニックシートを敷いて、母さんが作ったおにぎりを持ってきて…
俊と二人で食べたこともあった。
公園を過ぎたら小さな商店があったはずだけど…
コンビニに変わっていた。
父さんのタバコを買いに来て…
俺だけに頼まれたおつかいだったのに。
俊が着いてきて、お金奪い合いになって、100円玉を1枚落として…
タバコが買えなくなって二人で泣きながら帰ったことがあった。
そのあと、父さんと三人で手を繋いでまた戻ってきてアイス買ってもらったんだよな…
「フフフ」
ちょうど、コンビニのドアが開いて父親と手を繋いで店から出てきた女の子。
小さい袋をぶらさげている。
横断歩道には信号が出来ていた。
そういえば、この道にガードレールも出来てる。
どんどん、変わっていく町に、
少しだけ、寂しい気持ちになった。
信号が赤になったから止まって。
携帯の写真のホルダを開く。
雅紀さんの写真がいっぱいあって。
寂しい気持ちも、ドキドキする胸も。
雅紀さんを見ると落ち着く。
「大丈夫だよ」
どこからくるのかわからないけど、雅紀さんの言葉はいつも自信に満ち溢れてて。
「大好きだよ」
言葉から表情から全て、伝わってくるから。
青信号に変わって横断歩道を渡る。
突き当たりを右に入ると
俺の家。
「和也…」
母さんがいた。
「和、気を付けてね」
「うん…ちょっと緊張してるけど…」
「大丈夫だから」
◇◇◇
懐かしい…と感じるような町並みを想像してたけど。
「変わったな…」
なにもなかったただの空き地は綺麗に整備され
緑の多い公園になってて。
母親に連れられた小さな子供たちが多く遊んでいた。
空き地にピクニックシートを敷いて、母さんが作ったおにぎりを持ってきて…
俊と二人で食べたこともあった。
公園を過ぎたら小さな商店があったはずだけど…
コンビニに変わっていた。
父さんのタバコを買いに来て…
俺だけに頼まれたおつかいだったのに。
俊が着いてきて、お金奪い合いになって、100円玉を1枚落として…
タバコが買えなくなって二人で泣きながら帰ったことがあった。
そのあと、父さんと三人で手を繋いでまた戻ってきてアイス買ってもらったんだよな…
「フフフ」
ちょうど、コンビニのドアが開いて父親と手を繋いで店から出てきた女の子。
小さい袋をぶらさげている。
横断歩道には信号が出来ていた。
そういえば、この道にガードレールも出来てる。
どんどん、変わっていく町に、
少しだけ、寂しい気持ちになった。
信号が赤になったから止まって。
携帯の写真のホルダを開く。
雅紀さんの写真がいっぱいあって。
寂しい気持ちも、ドキドキする胸も。
雅紀さんを見ると落ち着く。
「大丈夫だよ」
どこからくるのかわからないけど、雅紀さんの言葉はいつも自信に満ち溢れてて。
「大好きだよ」
言葉から表情から全て、伝わってくるから。
青信号に変わって横断歩道を渡る。
突き当たりを右に入ると
俺の家。
「和也…」
母さんがいた。