僕は君を連れてゆく
第60章 名前のない僕ら―隠した恋心編―
俺のとなり並んだ相葉センパイは俺より
少し背が高くて。
「寂しいって、家でどうせ会えるんで…」
「そうなの?ニノ、県外の大学受けるんでしょ?」
「え?」
「最近は担任と毎日、話し合ってるみたいだよ。
この間、息抜きに誘ったけど…断られちゃったし」
県外の大学?
母さんと父さんは知ってるのか?
まさか、なんで?
「弟くん?大丈夫?真っ青だけど」
「あの、俺、潤です」
「うん?」
なんで、相葉センパイにこんなにイライラするのか。
そう。
この人は俺を名前で呼んではくれない。
兄さんの弟だから、仕方ないのかもしれないけど。
他の人に呼ばれるのと、相葉センパイに呼ばれるのとでは訳が違う。
「俺の名前!」
胸ぐらを掴む勢いでガンつける。
「知ってるに決まってるだろ。でも…認めてないから」
「え?」
肩を組まれグッと力を込められる。
「なんでお前なんだよ」
痛いっ…
「俺はニノに幸せになってもらいたいんだ」
ちょうど、電車がホームに入ってきて。
開いたドアから人が降りてくる。
それに続いて相葉センパイは乗り込んだ。
「……」
相葉センパイは俺に向かって手を振った。
「なんだアイツ…」
少し背が高くて。
「寂しいって、家でどうせ会えるんで…」
「そうなの?ニノ、県外の大学受けるんでしょ?」
「え?」
「最近は担任と毎日、話し合ってるみたいだよ。
この間、息抜きに誘ったけど…断られちゃったし」
県外の大学?
母さんと父さんは知ってるのか?
まさか、なんで?
「弟くん?大丈夫?真っ青だけど」
「あの、俺、潤です」
「うん?」
なんで、相葉センパイにこんなにイライラするのか。
そう。
この人は俺を名前で呼んではくれない。
兄さんの弟だから、仕方ないのかもしれないけど。
他の人に呼ばれるのと、相葉センパイに呼ばれるのとでは訳が違う。
「俺の名前!」
胸ぐらを掴む勢いでガンつける。
「知ってるに決まってるだろ。でも…認めてないから」
「え?」
肩を組まれグッと力を込められる。
「なんでお前なんだよ」
痛いっ…
「俺はニノに幸せになってもらいたいんだ」
ちょうど、電車がホームに入ってきて。
開いたドアから人が降りてくる。
それに続いて相葉センパイは乗り込んだ。
「……」
相葉センパイは俺に向かって手を振った。
「なんだアイツ…」