僕は君を連れてゆく
第60章 名前のない僕ら―隠した恋心編―
〈雅紀の友情〉
いつからか、友人にヤマシイ気持ちを持つようになった。
恋とか、そんなのを知る前に。
肩を抱かれたその日の夜は体が熱くて、熱くて。
胸の苦しいつかえの意味を知ったのはその友人の視線の先を知った時。
つまりは失恋と同時に知ったんだ。
ニノとはこれからもずっと友達でいたいから
“親友”という場所を他の誰かに譲る気なんてないからこの想いは墓場まで持ってくつもりだったんだ。
だけど。
最近のニノはちょっとおかしい。
周りをすごく気にするようになった。
ビクビクしてるような、何かから逃げてるような。
何かあったのかなぁ。
それは、アイツに会ってわかった。
ニノのアイツを見る目
アイツのニノを見る目
何かあったんだ。
心にかかったモヤモヤがスッーと晴れていった。
あぁ、収まるところに収まったんだって。
これで、俺はニノの恋を友人として、親友として、応援しよう、
そう決めた。
けど。
長袖のシャツを着てくるようになったニノは
さらにおかしかった。
人目を気にしていて体に触れられるのを嫌がっている。
いつもみたく肩を組むことにさえ怯えている。
俺とニノの身長差でニノのシャツの中が見える。
首までガッチリボタンをとめてるシャツの首の辺りに赤い痣を見つけた。
このとき、弟くんとついに一線を超えたのか、
って頭にきて、悲しくなって。
でも、好きな人と体を繋げた、という喜びや恥じらいはニノから、これっぽちも感じなかった。
「ニノ、来週さボーリング行こうよ!この間はスイーツに付き合ってもらったからさ」
「ボーリングだって俺が付き合うんじゃん!意味わかんねぇ」
「だってさ~、受験生だって息抜きは必要だと思わない?」
「雅紀は息抜きの話ばっかじゃん」
話しかければ、普通なんだけど。
やっぱり、なんか、変。
いつからか、友人にヤマシイ気持ちを持つようになった。
恋とか、そんなのを知る前に。
肩を抱かれたその日の夜は体が熱くて、熱くて。
胸の苦しいつかえの意味を知ったのはその友人の視線の先を知った時。
つまりは失恋と同時に知ったんだ。
ニノとはこれからもずっと友達でいたいから
“親友”という場所を他の誰かに譲る気なんてないからこの想いは墓場まで持ってくつもりだったんだ。
だけど。
最近のニノはちょっとおかしい。
周りをすごく気にするようになった。
ビクビクしてるような、何かから逃げてるような。
何かあったのかなぁ。
それは、アイツに会ってわかった。
ニノのアイツを見る目
アイツのニノを見る目
何かあったんだ。
心にかかったモヤモヤがスッーと晴れていった。
あぁ、収まるところに収まったんだって。
これで、俺はニノの恋を友人として、親友として、応援しよう、
そう決めた。
けど。
長袖のシャツを着てくるようになったニノは
さらにおかしかった。
人目を気にしていて体に触れられるのを嫌がっている。
いつもみたく肩を組むことにさえ怯えている。
俺とニノの身長差でニノのシャツの中が見える。
首までガッチリボタンをとめてるシャツの首の辺りに赤い痣を見つけた。
このとき、弟くんとついに一線を超えたのか、
って頭にきて、悲しくなって。
でも、好きな人と体を繋げた、という喜びや恥じらいはニノから、これっぽちも感じなかった。
「ニノ、来週さボーリング行こうよ!この間はスイーツに付き合ってもらったからさ」
「ボーリングだって俺が付き合うんじゃん!意味わかんねぇ」
「だってさ~、受験生だって息抜きは必要だと思わない?」
「雅紀は息抜きの話ばっかじゃん」
話しかければ、普通なんだけど。
やっぱり、なんか、変。