僕は君を連れてゆく
第61章 名前のない僕ら =僕らの幸せ編=
風呂から出て麦茶を飲んでた。
「あ、潤!お兄ちゃんに水、持って行って」
水のペットボトルを冷蔵庫から取り出して階段を上る。
兄さんの部屋の前でノックを躊躇う。
さっきはみんながいたから。
笑ってくれたのかもしれない。
もし、そうだとしたら。
でも、嫌われても当然なことをしたのは確かだから。
トントン
トントン
「兄さん?あけるよ?」
そぉっと、開けたら暗い部屋。
ベッドライトが灯るそこへ足をすすめる。
眠る兄さん…は…いない。
「え?」
布団をめくってみたけど、そこに兄さんの姿はない。
どこへ?
トン
と、隣の部屋から物音が、
隣の部屋は俺の部屋。
「ウソっ」
隣の俺の部屋のドアを開けたら、俺のベッドに座る兄さんがいた。
「遅い」
「あ、なに?どしたの?」
おでこに冷えピタを貼ってる兄さん。
白い顔は風邪のせいだろう。
今日は青白い。
「水、飲む?」
母さんに言われた通り、ペットボトルを渡した。
「潤に話さなきゃならないことがある」
兄さんは県外の大学を受験するつもりだと言った。
「それは…俺のせい?」
兄さんは下を向いてて、表情がわからない。
「俺、兄さんに酷いことした…ごめん、なさい」
「雅紀は、友達だ。俺みたいなやつのことずっとそばで見守ってくれてた」
「嫉妬してたんだよ俺。相葉先輩に。いつも兄さんの隣にいて」
「だって、あいつしか友達いないんだもん」
俯いてる兄さんの頭のつむじ。
右回りなんだ。
そんなことをぼんやり考えていたら、兄さんが頭を持ち上げて俺を見た。
怒ってるような、悲しんでるような…
兄さんが口を開いた。
「あ、潤!お兄ちゃんに水、持って行って」
水のペットボトルを冷蔵庫から取り出して階段を上る。
兄さんの部屋の前でノックを躊躇う。
さっきはみんながいたから。
笑ってくれたのかもしれない。
もし、そうだとしたら。
でも、嫌われても当然なことをしたのは確かだから。
トントン
トントン
「兄さん?あけるよ?」
そぉっと、開けたら暗い部屋。
ベッドライトが灯るそこへ足をすすめる。
眠る兄さん…は…いない。
「え?」
布団をめくってみたけど、そこに兄さんの姿はない。
どこへ?
トン
と、隣の部屋から物音が、
隣の部屋は俺の部屋。
「ウソっ」
隣の俺の部屋のドアを開けたら、俺のベッドに座る兄さんがいた。
「遅い」
「あ、なに?どしたの?」
おでこに冷えピタを貼ってる兄さん。
白い顔は風邪のせいだろう。
今日は青白い。
「水、飲む?」
母さんに言われた通り、ペットボトルを渡した。
「潤に話さなきゃならないことがある」
兄さんは県外の大学を受験するつもりだと言った。
「それは…俺のせい?」
兄さんは下を向いてて、表情がわからない。
「俺、兄さんに酷いことした…ごめん、なさい」
「雅紀は、友達だ。俺みたいなやつのことずっとそばで見守ってくれてた」
「嫉妬してたんだよ俺。相葉先輩に。いつも兄さんの隣にいて」
「だって、あいつしか友達いないんだもん」
俯いてる兄さんの頭のつむじ。
右回りなんだ。
そんなことをぼんやり考えていたら、兄さんが頭を持ち上げて俺を見た。
怒ってるような、悲しんでるような…
兄さんが口を開いた。