僕は君を連れてゆく
第62章 夢の向こう側 MN
寝てるリーダーの足をつついたりしてたけど、
リーダーは無反応を続けて。
諦めたのかかずは鞄から携帯を出してゲームを始めた。
一度も俺と目を合わせることはなくて。
それは、いつものことなんだけど。
やっぱり、俺はイライラしてた。
何回目かのため息をついた時、翔くんがメイクから戻ってきた。
「なに?飲み過ぎたの?」
「なんで?」
「松本さんも少し厚く塗ったんですよって言ってたからさ」
「ちょっとね…」
かずは聞こえてないフリで知らん顔。
俺だけ、こんなに悩んでの?
「さぁ!行きますか!」
モヤモヤのまま収録をした。
そこはいつものように流れるように収録は終わって。
「松潤、このあとあるの?」
「いや、終わり。相葉くんは?」
「いいなぁ~、俺もう一個、打ち合わせなんだよ」
着替えながら相葉くんはリュックを開けた。
「ニノ、この間忘れたろ?」
それは俺のパーカーで。
「あれ?それ松潤も持ってたよね?」
「そうだっけ?俺の、俺の」
そう言ってそそくさとパーカーを丸めた。
家から着て行ってそのまま相葉くんの家に持って行ったんだ。
「最近、ニノの服変わったよね~」
「変わってないよ、別に」
「松潤っぽいんだよ」
「俺っぽいってなんだよ」
「実は付き合ってるとか?」
「しょーちゃん!変なこと言わないでよ」
「なんだよ、変なことって」
俺たちが付き合ってることは、変なことなのか?
なんで、かずはそんなこと言うんだよ。
「例えばってことでしょ?」
リーダーが俺たちを落ち着かせようと笑った。
でも、
「なんでJが怒るの?変なの!お疲れ!」
ニノは話を切り上げるように楽屋を出た。