僕は君を連れてゆく
第62章 夢の向こう側 MN
「また、飲んだの?」
二日酔いで迎えたのはコンビでやらせてもらってる雑誌の撮影。
相葉くんにコーヒーを飲むか聞かれたけど断った。
「水持ってきた」
「珍しいじゃん?二日続けてなんて」
「うん…」
「俺は今朝も走ってきたよ!もうクセになっちゃったよね」
「健康的じゃん!って、あれ?ニノと一緒だったんじゃ…」
「起きたらもういなかったよ」
いなかった?
家に帰ってきたのか?
「最近、突然来たかと思うとベット占領してさ~昔は一緒に寝てたのに」
「一緒に?」
「え?うん。ジュニアの頃からお互いの家行き来きしてたからね…でも、いつからだろ?一緒に寝なくなったんだよね」
寝なくなった?
「それも突然だったなぁ…泊まるけど一緒に寝るのはダメって。なんか急に可愛くなっちゃって」
「なんで?なんで一緒に寝なくなったの?理由は聞いたの?」
「さぁ…でも、それは松潤が一番、良く知ってるんじゃない?」
「え?」
「ニノはさ、ずっと、ずっと、夢みたいって言ってたよ。それで、このまま夢なのかも…とも言ったな」
「夢…そんな…」
「俺たちなら大丈夫だよ」
何が、大丈夫なの?と聞こうと思ったらスタッフに呼ばれてしまって。
いつものようにくっついて写真を撮った。
撮影もインタビューもサクサクと進んでいって。
相葉くんはこのあともロケがあるからとすぐに出て行った。
俺もこのあと、また始まるツアーの確認もあるから
すぐに帰ることは出来ない。
でも、会いたい。
会って顔を見て、抱き締めてやりたい。
「松本さん、出ますよ」
「うん」
車に乗ってすぐにメッセージを入れた。
“会いたい”と。
すぐに既読になったけど、返事はなかった。