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僕は君を連れてゆく

第63章 3億円の真実

その言葉をかけてもらった時、
「俺、大丈夫じゃないかも」って思った。


大野さんのその気持ちの裏を読もうとしたり、
他のみんながなんだかすごく前向きだし。

何より、受け入れていくって方向になったけど、
それに俺も同意したけど、やっぱり寂しくて。

こんなこと思ってるのは自分だけだと思ってて。

こんな気持ちを見せちゃ、ダメだと思って。

だから、いつもの二宮和也にさらに鎧を着せて。


A「寂しいよね…こうやって会えなくなるんだもん」


そう言ってくれて。

俺と同じ気持ちなんだ、って思って。

A「俺にはさ、いいんだよ、素直になって。怒って、泣いて」


N「何、そのキャラ?お前だっていつもみたいに泣けばいいじゃん」


A「うん…そうだね…じゃぁ、一緒に泣こうよ」


N「一緒に?」


A「そうすれば、少しは…ね?」


N「なんだよ、少しって」

そう言いながらもう俺は泣いてた。

泣いちゃダメだと思ってたから。

いいよ、泣いていいよって言ってくれたら、
すぐに、流れてくる涙。

N「俺、どうしよっ」

A「うん?」

そこは俺ん家だったかな。

ソファーに座る相葉さんとその下で床に体育座りしてる俺。

いつもこうやって後ろから上から相葉さんの声がする。

ゲームするのもこの位置、高さがちょうど良くて。

ソファーになんてあんまり座らないんだけど。

A「ほら、ここ座って」

と、両脇に手を入れて俺を自分の隣に座らせた。

N「決めたことだから…みんなで決めたことだから…」

A「うん…」

N「みんなは寂しくないのかな?俺だけかな?俺は…」

A「…同じだよ…みんな」

N「でもっ!」

その時、相葉さんは俺を抱き締めてくれた。

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