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僕は君を連れてゆく

第64章 カモン ブルー SO

本気で寝てる…

俺が寝ようと思ってたのに。

智に屋上に誘われる日は必ず快晴で。

こうやって、俺の膝枕で彼は寝る。

なんで、男の膝枕で寝れるかね。

「しょ…くぅん…」

寝言で俺の名前を呼ぶ。

これもいつもそう。

くすぐったくて。

その日の夜はなかなか寝付けないんだ。


*****


「翔ちゃんたちも行かない?」

「今日は部活ないんだ?」

雅紀はバスケ部、ニノは野球部に入っている。

俺は塾があるから部活動に参加してなくて。

智はやりたくないという理由でやってない。

「ニノもないの?」

「うん…まぁ…」

なんとも歯切れの悪い。

チラチラと雅紀を見てて、なんとなくだけど…

「俺たち、先生んとこ行かなきゃなんだよ」

「えー!そうなの?」

「俺も?」

「そう!あなたも!」

「だから、また今度な!」

と、ニノの肩をそっと雅紀の方へ押す。

ニノは柔らかく微笑んだ。

「じゃーねー!次は四人で行こーねー」

「ばいばーい!」

なんとなく、ニノって…雅紀のこと…

教室で二人の背中を見送って。

「ねぇ、翔くん…」

「先生に呼ばれてるってのは嘘!」

「うん?え?あ、そうなの?」

「うん、ごめん!ごめん!」

「え?じゃぁ、相葉ちゃんたちと…」

「いや!それはっ!」

「なんで?」

それは、なんて答えたらいいんだろう。

あくまで、俺の勘であって、確信的なものはなにもなくて。

「俺と二人きりでいたかったの?」

「へ?」

「翔くんって、何もわかってないね」

「え?どういうこと?」

「帰ろう」

スタスタとリュックを背負い教室のドアに
向かって歩いてく。

「え、ね!待って」

「ヌクとかってエッチな言葉なんだね」

ドアを背にして智は俺を見つめる。

「エッチ?」

「翔くんは知ってるんでしょ?意味」

「うん、まぁ…」

「教えてよ」

はい?
なんだって?





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