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「ダメだ…うまく切り返しが出来ない…」

ニノは顔を手で覆いゴロンと仰向けになった。

「今までは全部、ぜーんぶ隠してきたのに…もう、急にストッパーがバカになっちゃっみたいでさ。もう止まんないんだよね」

顔を隠してるからその表情はわからないけど。

「翔ちゃんさ…きちんと向き合わないとすり抜けてくよ」

「え？」

「あー見えて、すごく頑固だし」

「え？なに？何のこと？」

「待ってるよ、大野さん」

「えっ？！」

声が裏返ってしまって。

ニノは大笑いで。

「ずっと、目で追ってるよ。俺や相葉さんが肩でも組んだら殺されそうな目で一瞬見るんだもん」

「そんなこと…」

「気づいてないみたいだからこれ以上は言わないけど…ね？大丈夫だよ。俺たちがいるもん」

何が大丈夫なのか、聞こうとしたら。

「ニノぉ～♡」

相葉くんが屋上に上がってきた。

「あれ？早かったね」

当たり前のように隣に座って。

並んで笑いあう姿なんて、何度も見てきたのに。

そこにだけフワフワとしてピカピカしてるオーラみたいなのがかかってるように見えた。

「幸せそうだな」

そう自然と言葉になってて。

あの二人が俺と智だったら…

「いいねぇ」

「うん？だよね？いいと思うよね？」

「え？何が？」

「翔ちゃんたちも一緒に行こうよ！」


あのあと、ニノとデートしたいから一緒に遊びに行こうと誘われた。

そして、やっぱり雅紀から智も当たり前のように誘うと言われた。

俺のとなりにいるのはやっぱり、智なんだ。

「先生！」

「お？なんだ？今日も手伝いか？」

帰りのHRが終わって松潤に声をかけた。

「大野の家に帰り寄ろうと思うんですけど…」

「あぁ、そうだな、じゃぁ、これとこれ渡してくれ。課題は無理するなと伝えて…そのあとにきちんとやるように言ってくれ」

「なんだよ、それ」

「そう言ってもやってこないだろうけどな」