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僕は君を連れてゆく

第64章 カモン ブルー SO

「俺、お前が好きだよ」

「…ぅ…うっ…」

話ながらゆっくりと顔をあげた智の目から大粒の涙が溢れてくる。

「智、俺と付き合ってください」

「…はい…」

俺に抱きついてきた。

あまりに可愛くて背中を撫でる。

グズグズと鼻をすする音がしてるから背中をポンポンと叩いてやっていたら…

「えっ?!寝てる?!」

スッーと寝息が。

嘘だろ?!

「しょ…くん…」

ムニャムニャという言葉がピッタリなくらい。

俺の名前、呼んでんじゃねぇよ!

お前…さっきまで一人でオナってたんだろ?

なんで、寝れんだよ!!

告白して、返事もらって…

キスして…なんならヤっちゃう?なんて思ってた俺。

松潤にプリントもらって。

家に帰ってシャワー浴びて。

ゴムとローションっていう男の必需品を買って。

めちゃくちゃ、恥ずかしかったんだぞっ!!!

それなのに…

パン一のくせに…

くそっ!

さっき、玄関から覗いたときに聞こえてきてあの声。

いつも二人でシテル時と同じで。

少し鼻にかかる高めの声。

普段ののんびり、ゆっくり喋る時とは違う。

それを俺が出させてるんだ、って思うとさらに興奮するんだ。

「こいつ…」

鼻を摘まんでやる。

「フガッ」

ブタ鼻かよ…

でも、好きだ。

言葉にしたら、もっともっと好きになるみたいだ。

「智の言葉、聞いてないんだけど?」

智をゆっくり布団に寝かせてその隣に入る。

薄い布団だし、シングルだし二人で入ると少し狭い。

まぁいいか。

時間はゆっくりある。

俺も寝よ。

智を抱きしめて俺も目を閉じた。



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