僕は君を連れてゆく
第64章 カモン ブルー SO
「…」
帰ろう、と言われ一緒に帰ってるんだけど。
ずっと、黙ったままで。
俺もなんだかとても緊張している。
「ちょっと、買い物していい?」
「あ、あぁ」
智が急に立ち止まって店を指差した。
なんか、怒らせるようなことしたかなぁ。
店の出入口で立って待っていたら、智はすぐに出てきた。
「何買ったの?」
「うん。ちょっと…。家に来て」
「おぅ」
智の部屋は相変わらず何もなくて。
でも、布団が新しくなってた。
「どしたの?布団」
「この間、母ちゃんが来て欲しいものないかって聞かれたから言った」
「へぇー」
なんで、布団なんだ?
スニーカーとか、ゲームとか色々あるのに。
「あとね…」
と鞄から取り出したのはスマートフォンだった。
「それも?」
「うん…これで翔くんとも連絡取りやすくなるし」
俺のため?
そういうこと?
「LINE教えてよ」
「よくわかんなくて…それで…」
スマートフォンを持つ手が震えてて。
「どうした?」
「え?何が?」
俺を見る瞳は潤んでる。
「なんで、そんな顔…」
「もう、ダメ…俺、翔くんが…」
「智っ」
抱き締めて、キスをした。
なんかごちゃごちゃ考えてたけど。
智は俺が思ってるよりずっと、俺が好きで。
俺もお前をどんどん好きになってる。
「ぁん…翔くん…」
「好きだ…」
「俺も…好き…」
「ぅん、ぅぅ…あぁ」
「あぁ…ん…」
新しい布団の上で二人で裸になって。
いつものように俺たちのを擦り合わせて。
「イクぅ!!」
弾けでた白濁が俺たちの手を汚した。
「智…」
「ぅん…」
キスをしながらそこへ指を這わす。
「あ…待って…」
智が俺のキスから逃げ出した。
「どこ行くんだよ」
「さっき、買ったから」
と、指差すのはビニール袋。
中を見たら必需品だった。
「さっき買ったのって…」
「うん…」
照れてるんだろう、俺と目を合わすことがなくて。
なんで、制服で買うんだ、とか。
学校から一番近い店じゃん、とか思うとこは色々あるけど。
どれも俺と進みたいって思ってくれてるってことだよな。
「使うね…」