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僕は君を連れてゆく

第65章 ハートビート

PM.02:45

この後の予定もきちんと考えていた。

だけど

「翔さんの家、行ってもいい?」

ふわりと綺麗に笑ったあと、恥じらいながらそう言った。


*****


「散らかってるけど…」


誰か人を家にあげるのは久しぶりで。

今日こそは、と思っていたけど。

もう少し片付けておけばよかった。

靴を脱いでリビングへ通す。

「…初めてきた…」

「ごめんな、もうちょっと、片付けておけばよかったよな」

脱いだまま椅子にひっかけておいた上着をとってクローゼットを開けてハンガーにかけてしまう。

「潤のも貸して。かけておく」

「うん…」

上着を俺に預けてくれて。

ソファーとテーブルの間に腰を下ろした。

「なんか、飲む?」

「ううん…大丈夫…」

今まで、どうしてたっけ?

どうやったら、そう、なるんだっけ?

飲み物を用意しながら、この後のシミュレーションをしようとしてたのに断られてしまって。

どうしよう。

どうしたら…

「翔さん…こっちきて」

ソファーをポンポンと叩きながら俺を呼ぶ。

「うん」

そこに座ると足の間に潤がはいってきた。

足を抱えて俺を見上げる。

「翔さん…」

「潤…」

唇をめがけて腰をおった。

チュっと口づけ唇を離す。

体勢がキツイ。

「潤、こっち」

腕を引っ張り俺を跨いで座ってもらう。

「俺、重いからやだよ」

「そんなことないよ」

「やだ、降りたっ」

向かい合わせになったとたんよく動く口を塞いだ。

「んっ…」

「はぁ…じゅ、ん」

背中に腕を回して、体を引き寄せる。

絡まる舌に漏れる吐息。

背中に回してた腕をそっと背骨に沿って下ろしてシャツの中に手をしのばす。

「あっ…」

すべすべで、とてもあたたかい。

「うっ…んぅ…」

「潤…好きだよ…」

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