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僕は君を連れてゆく

第65章 ハートビート

潤のなかはあたたかくて心地よかった。

繋がっているのは、そこだけなのに。

全身に纏わりつくような、この快感はなんなんだろう。

今までだって、何度も経験してきた。

いつも、大事にしてきてた。

だけど、どうしてだろう。

涙がでる。

気持ちいい、だけじゃない。

胸が締め付けられるこの気持ちは
初めて感じる気持ちだった。

俺にすべてを委ねるこの人が、
愛しくて、愛しくて。

涙が出てくる。

俺の名前を呼びながら。

キツく締め付けられるそこに俺の欲を打ち付ける。

「あ、んっ、あ、んっ」

半開きの口から聞こえてくる喘いだ声にますます煽られる。

少しだけ角度を変えると、途端に爪先に力が入る。

ここが潤のいいところ。

ここを攻め立てて、何度もイカせた。

最後は搾り取られるように中に熱を吐き出してしまって。

潤は意識を飛ばしてしまった。

しっとりと汗ばむ体。

潤のなかから出ても潤は意識を戻さなかった。

おでこに張り付いた前髪をそっと鋤く。

初めてなのに、無理させたな…

眠ってしまった潤の体を熱い湯で絞ったタオルで拭く。

綺麗な鎖骨につけてしまった赤い痕。

今までこんなことしたことなかったな…

独占欲か…

潤。

俺は自分が思ってるよりずっと、気が短いみたいだ。

それに。

潤のことになると周りが見えなくなる。

それでも、俺についてきて欲しい。

誰よりも幸せにするから。

「おやすみ」

頬に口づけを落として俺も隣で眠った。

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