僕は君を連れてゆく
第67章 瞬きの合間に
仕事が終わり、家族も寝た家に帰ってきた。
テーブルに並べられた夕飯にはラップがかかっている。
それに並ぶように置かれていた手紙たち。
ほとんどがダイレクトメール。
ゴミゆきだな、なんて考えていたら。
「おっ…」
1枚だけ、それらとは違うものが。
「結婚か…」
そうだよな。
そういう歳だよな。
俺は早い方だったから。
懐かしい名前に思わず、顔が緩んだ。
ネクタイを緩めながらダイニングの椅子をひいて座る。
連名で出されたはがき。
なんで
なんで、俺に?
遠い、遠い
忘れてた記憶
いいや
忘れたくて、忘れたくて
忘れようとしてた記憶
俺は16歳に引き戻された。
*J事務所とは違うようで、似たような事務所に所属していた頃の話。
*櫻井翔×相葉雅紀
*他メンバーも出てきます。