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僕は君を連れてゆく

第67章 瞬きの合間に

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あれから、俺は事務所をやめた。

もともと勉強は嫌いじゃなかったら勉強しなおして大学へ入り、卒業後は企業に就職した。

奥さんともなんだかんだあったけれど、うまくやっている。

俺を「パパ」と呼ぶその顔に俺は癒され、励まされてる。

潤は、映画が大ヒットして海外と行ったり来たりしながら仕事を続けている。

雅紀は、解散後も事務所に残りバラエティーやドラマなどたくさんの仕事をしていた。

俺はそれをずっと見てきた。

雅紀、俺もお前が初恋だったと思う。

今もたまにあの時を思い出す。

キュッと胸が締め付けられるようなあの感覚はあの時だけだったから。


そして俺たちはもうすぐ40になる。

そんな時に届いた手紙。

「…」

雅紀からだった。

相手はいつしか共演していた女優さんで、かなり好感度の高い方。

数年前に交際している人がいると話したときは相手は誰なのか連日、ワイドショーを賑わした。

タキシード似合うだろうな。

ペンを持ち、欠席に◯をつけた。

『幸せになれ!』と書いた。


俺の初恋が終わった。

瞬きの合間に。









おわり

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