僕は君を連れてゆく
第70章 向日葵のやくそく /MS
sho
カルテの打ち込みをしていたら、外から大きな声が聞こえる。
外の様子を見ようと立ち上がったら全館コールがはいった。
慌てて白衣を着て待合室に出たらストレッチャーに男の子が乗せられていた。
そして、彼がスタッフに指示を出していた。
一歩出遅れたな、と思った俺は女性から話を聞いてるナースの隣に立った。
チラリと俺を見たがナースはそのまま女性と話をすすめていく。
女性はさっきストレッチャーに乗った男の子の母親であった。
「昨日もお腹痛いって言ってて…でも仕事休めないから…」
母親は男の子の様子を必死に伝えている。
「昨日、病院に連れてくればよかった…そうしたら…あんな…」
「お母さん、今、先生たちが一生懸命処置をしています。待ちましょう」
「はい…」
「私と救急室の前に行きましょう」
ナースが母親の肩に手をおきそっと前へ押した。
俺はそれを見届けて救急室へ走った。
「松本先生!」
救急室のなかはすでにスタッフが処置をはじめていた。
「櫻井先生、エコーしてもらえますか?」
「わかりました」
「…っ、虫垂炎だな…腹膜までは大丈夫そう…いや、微妙だな…採血は?」
「結果待ちだ」
「でも圧痛もかなりある」
「いつから痛いって?」
ナース「昨日の朝には痛みを訴えていたようです。でも、お仕事をお休みするのが難しかったみたいで病院に連れて来れなかったみたいです」
「一日くらい休んだって別に構わないだろうに」
ナース「先生、結果でました」
「CRPが22…高いな…腹腔鏡でやるか?」
「うーん…」
「どうする?」
「待って…とりあえず痛み止め繋いでもらって母親と話してくる」
「痛み止めはもうやってる!何が気になる?」
「オペになると母親はものすごい罪悪感を感じると思うんだ、だから、」
「だって、母親のせいだろう?」
「それは違う!」
「違う?なんで?母親が昨日のうちに連れて来てればここまでにならなかったろ?」
「生活するには働かないといけないだろ、そこはらへんの事情汲んでやらないと」
カルテの打ち込みをしていたら、外から大きな声が聞こえる。
外の様子を見ようと立ち上がったら全館コールがはいった。
慌てて白衣を着て待合室に出たらストレッチャーに男の子が乗せられていた。
そして、彼がスタッフに指示を出していた。
一歩出遅れたな、と思った俺は女性から話を聞いてるナースの隣に立った。
チラリと俺を見たがナースはそのまま女性と話をすすめていく。
女性はさっきストレッチャーに乗った男の子の母親であった。
「昨日もお腹痛いって言ってて…でも仕事休めないから…」
母親は男の子の様子を必死に伝えている。
「昨日、病院に連れてくればよかった…そうしたら…あんな…」
「お母さん、今、先生たちが一生懸命処置をしています。待ちましょう」
「はい…」
「私と救急室の前に行きましょう」
ナースが母親の肩に手をおきそっと前へ押した。
俺はそれを見届けて救急室へ走った。
「松本先生!」
救急室のなかはすでにスタッフが処置をはじめていた。
「櫻井先生、エコーしてもらえますか?」
「わかりました」
「…っ、虫垂炎だな…腹膜までは大丈夫そう…いや、微妙だな…採血は?」
「結果待ちだ」
「でも圧痛もかなりある」
「いつから痛いって?」
ナース「昨日の朝には痛みを訴えていたようです。でも、お仕事をお休みするのが難しかったみたいで病院に連れて来れなかったみたいです」
「一日くらい休んだって別に構わないだろうに」
ナース「先生、結果でました」
「CRPが22…高いな…腹腔鏡でやるか?」
「うーん…」
「どうする?」
「待って…とりあえず痛み止め繋いでもらって母親と話してくる」
「痛み止めはもうやってる!何が気になる?」
「オペになると母親はものすごい罪悪感を感じると思うんだ、だから、」
「だって、母親のせいだろう?」
「それは違う!」
「違う?なんで?母親が昨日のうちに連れて来てればここまでにならなかったろ?」
「生活するには働かないといけないだろ、そこはらへんの事情汲んでやらないと」