僕は君を連れてゆく
第72章 可愛いの秘密
俺はたどたどしく明日、相葉ちゃんたちも一緒にご飯になったことを伝えて、髪を乾かせ、と怒鳴った。
なんで急に怒るのー、とぶつぶつ言いながら、
キッチンへ歩きだした。
きっと、水を飲むんだろう。
キッチンへ向かっていく後ろ姿。
背中はずいぶんと大きくなってるし。
肩甲骨のところとか…
腰もなんか…
ダメだっ
急いで服を脱いでお風呂にはいった。
湯船につかり目を閉じる。
知らない間に腹筋が割れていた。
腕もすごく太くなってたし。
背中に伝う汗とか。
濡れた髪をかきあげるところなんて、さっきドラマに出てた俳優が雑誌でやってるみたいな…
いつも、和くん、和くん、って俺についてきてた可愛い弟みたいなのに。
さっきの、あの瞬間は別人に見えた。
潤に抱いていた感情はぐるぐると頭のなかで変化していく。
可愛い、と思ってたのに。
あんな、セクシーな…
俺はいつもよりだいぶ長く湯船につかっていたらしく
のぼせてしまった。
気がついたらいつもの俺の部屋にいた。
「大丈夫?」
「うわぁっ!!!!!」
急に目の前に潤がいて。
思わず起き上がった。
「急に起きて、大丈夫?」
その言葉通り頭がクラクラする。
俺の肩に腕を回してきた。
「冷たっ」
「ごめん」
抱かれた時、潤の髪から水滴が飛んだ。
近くで見る潤の顔。
いつも見てる顔なのになんだかドキドキしてしまって。
「濡れちゃったね」
と、指で俺の頬を拭った。