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僕は君を連れてゆく

第72章 可愛いの秘密


なんで、こんなに悲しいんだろう。
なんで、こんなにむなしいんだろう。

エレベーターの中、潤と二人きり。

絶対に泣かないんだ。

エレベーターがあいた。
先に降りようと一歩、足をだしたら
潤が俺の腕を掴み引っ張った。

「離せって」

無言で腕を引っ張っる。

絶対にいやだ。
一緒にいたくない。

潤はどこにそんな力があるのかと、思うくらいの力で
俺を引っ張り自分の家に俺を押し込めた。

「離せって言ってるだろっ!!!」


「嘘。俺、言ったじゃん。和くんの考えてること分かるって」


靴を脱ぐものかと、思って抵抗したら膝の下に腕を回されて持ち上げられた。
足をバタバタとさせてみたけど。

潤の寝室のベッドの上に下ろされた。

「和くん…、俺の考えてること分かる?俺が今、和くんに何しようとしてるか、分かる?」

そう言いながら、ブレザーを脱いでネクタイをゆるめていく。

「和くん、俺、男だよ。和くん、俺のこと可愛いって言ってくれるけど、俺、そんなんじゃないから」

そう言いながら俺の靴を脱がして、ブレザーを脱がしてく。

「潤…待って…俺…」

いつもの見慣れた部屋なのに。
いつもの二人きりの部屋なのに。
全然違う。


「和くん、いい?」


いつもと違うキス。

覆い被されてキスをされた。


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