僕は君を連れてゆく
第72章 可愛いの秘密
目を開けたら、目があった。
「和くん、おはよ」
「…お、おはよ…」
視線を巡らせるとまだ朝にはなってないようだ。
優しく微笑む潤。
やっぱり、いつもと違う潤がいる。
恥ずかしくなって体を捩る。
「和くん…体、痛い?痛いよね?」
「…」
顔が熱い。
さっきまでの出来事が頭のなかで再生されてしまった。
「和くん…恥ずかしくなっちゃった?」
「なんで?なんでこんなこと」
ずっと聞きたかった。
キスをするようになってから。
俺たちってなんでこんなことするんだろうって。
「和くん…」
潤が起き上がり、俺にも起きるように言う。
腰をかばいながら起きる。
「俺、和くんが好き。ずっと、ずっと好きだった」
真っ直ぐに俺を見てくれる。
「あの子は?」
「あの子?」
「マンション下で話してたろ。潤と…抱き…」
「告白されただけ、きちんと断ったよ。抱きつかれたときちょっと勘弁!って思って…まさかそこを和くんに見られるとは思わなかったけど。でも、こんなに嫉妬してくれるなんて思わなかったなぁ」
嬉しそうに笑う。
「和くんは?俺のこと好きでしょ?」
俺の返事を待たずに、潤は俺にキスをした。