僕は君を連れてゆく
第9章 怪盗♡サトコ
これは夢なのか…
その姿はとても厭らしかった。
俺のを舐めて興奮したと自慰をはじめた。
喘いで俺の目を見てくる。
射精する瞬間、思わず唾を飲み込んだ。
射精しながら、全身を震わせる様子に
間違いなく興奮していた。
「はぁ…気持ちよかった…」
女装してるからなのか?
この興奮は?
「翔ちゃん…」
智くん、だからなのか?
この興奮は?
「また、大きくなってる…興奮した?」
ティッシュで手を拭いゴミ箱へ投げた。
「喉、乾いちゃった。」
そう言って膝に引っ掛かっていたパンツを
脱いで寝室から出ていった。
智くんはなんでこんなことを?
俺のこと嫌いなのか…
嫌いな素振りなんて今までなかった。
どちらかと言えば好かれていると思っていた。
好かれていると…
俺を…
好きなのか?
「翔ちゃんも飲む?」
ゴク、ゴクと水を飲む。
頭の中がごちゃごちゃだ。
何も変わらない智くん。
いつもみたいに笑ってほしい。
いつもみたいに“翔ちゃん”って呼んでほしい。
俺の知らない智くんがここにいて…
悔しくて泣いていたはずなのに…
俺の知らない智くんがいたことが悲しかった…
怖かった…
「翔ちゃん…泣かないでよ…ごめんね…」
そう言ってくる智くんの声は俺の知ってる智くん。
でも、涙に滲んだ目に写るのはサトコ。
「知らない…よ…こん、な…智くっん…」
サトコが俺の頭を撫でる。