僕は君を連れてゆく
第9章 怪盗♡サトコ
泣きじゃくる翔ちゃん。
俺を知らないと言って泣いている。
あんなに大きくしていたモノも小さくなってしまった…
「ダメだね…こんな風に泣かせるつもりなんてなかったんだよ。」
頭を撫でてみる。
「俺ね…翔ちゃんが好きだよ。どんな、翔ちゃんでも好きだよ。」
自然に口から溢れてきた言葉だった。
「翔ちゃん…もっと、甘えてよ…俺には…もう、出来ないだろうから…松潤でも、ニノでもさ…」
そう言って虚しくなってくる。
こうやって、こんなことして翔ちゃんの背負ってるものが軽くなるはずないのに…
むしろ、もっと、重たくさせたかもしれない。
あんなことして、怖がらせて…
それなのに、俺が泣くっていう、最低な感じになっている。
でも、泣いてる姿はやっぱり悲しくて。
ううん。
違う。
好きな人を怖がらせてしまった。
泣かせてしまった。
そんなの、最低だ。
そして、告白まで…
もう、本当に最低だ。
「ごめんね。本当に…」
着けてきたカツラをとった。
サトコ…
俺、何やってんだろ…
智…
最低だよ…
着替えとタオルを取りに行こうとしたら、
腕をとられ、翔くんの腕のなかにいた。
「翔ちゃん…?」