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僕は君を連れてゆく

第73章 胸騒ぎの夜


人間の血液は四つの型に分けられる。

そのどれも、うまいけどそのなかでも自分にあった「運命のMAP」と吸血鬼のなかで言われてるもの。

それに俺はまだありつけてない。

本能でわかるらしいんだけど。

ふと、背中越しに視線を感じた。

そぉっと、振り返ってみると
「よぉ!」

「おぉ!松潤!」


吸血鬼仲間の松潤だった。

「やっとこの日がきたって顔だな」

「待ちに待ってたから」

「俺さ、みつけたかもしんないんだよね…」

「みつけたって?」

「そいつ見た瞬間、胸騒ぎしたんだ」

「胸騒ぎ…」

「めちゃくちゃいい匂いしてさ」

と、松潤は唾をゴクリと飲み込んだ。

「吸えそうなの?」

「あぁ。今日のために距離つめてきたから」

「用意周到だな」

「当たり前だろ…なんなら、これからも吸うことを許可させたいから」

「え?」

「契約結ぼうと思って」

契約
とは、人間と吸血鬼が結ぶもので。

契約を結べば吸血鬼はその契約した人間から血を吸うことを許される。

その人間は他の吸血鬼から血を狙われることもなくなるし
俺ら吸血鬼もその人間のみからしか血を吸うことができなくなる。

もし、その人間の命が絶えた時は、生まれ変わり
また出会い、契約を結ぶ。

それが永遠にサイクルとなるんだ。

ただし、それには自分が吸血鬼であることを打ち明けなければならないし、人間の許可が必要となる。
人間が許可しなければ、その人間から血を吸うことは出来なくなり、記憶は抹消される。

そして、永遠に契約を結ぶことの出来る人間と出会うことは出来なくなる。

俺ら吸血鬼にはデメリットの方が多い。

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